前著『2011年まで待ちなさい!』を読んで、著者の算命学を活用した
分析方法に興味を持ったので今回も購入。
所謂「景気2番底」系の金融予測本で、独自の分析に目を見張る点は
多いが、予測の方向性が同じ他のマネー本と結論的に大きな隔たり
は無い。
前著はそれなりに面白く読めたのだが、今作で気になったのは
民主党政権下での今後の日本とアジア、そして欧米の、
世界の相互関係の楽観的なシナリオの部分に置いて、少し論拠に
乏しすぎる点だ。
金融に直結する箇所についてはそうでも無いのに、国際情勢が
中心になると政治的な切り口での分析が非常に曖昧になる。
思想や国民性といったイデオロギー的な部分についてもほとんど
言及されていない。
更には執筆された時期とのズレのせいかわからないが、現時点の
鳩山政権は本文中で多ページに渡り力説された上記の楽観シナリオ
ではなく、数行触れられた悲観シナリオの「閣内不一致や政策ミス、
スキャンダルの表面化で株高第3波は来ない」をまんまトレースして
いるので、読む気が失せてきてしまった。
逆にこれも的中しているし、辿りつく結論は変わらないので
それはそれで凄いのだが。
これを書いている時点では、日銀と政府がようやく重い腰を上げて
量的緩和や経済対策を打ち始めたので、株価が一気に戻ったところ。
今しばらくは様子見か。
自分も投資歴はそれなりにあるもののあくまで素人なので、
様々な予測本や分析本、政治経済の書籍と世界のニュースを
参考に自分なりに投資判断をしているが、同じ恐慌到来系の
トンデモ本なら似たようなコンドラチェフサイクルをベースに
している副島隆彦氏の方が納得度が高いと思う。
ただ、最初に書いたように方向性が同じ傾向の書籍では
どれも結論的・投資判断的には概ね大きな隔たりが無いので
その点は参考にしたい。
最後に余計なお世話とは思うが、他のレビューに書かれている様に
経済に興味を持ち始めた様な方が読むには、ちょっと刺激が強く
かなり偏った内容の部類なので、この手の本に書かれていること
だけを鵜呑みにして金融や経済を理解した気になってしまうのは
とても危険だと思う。
あらゆる方向からの視点で政治や経済を勉強し、ある程度の投資に
より金融を肌で感じた上でこういうカテゴリに手を出すくらいでも
遅くは無い。経済の中の金融の、そのまた一部の投資判断の参考に
するくらいで丁度よい。