・「入門」の名のとおり、基本をおさえた良書で一読の価値あり。
・ プライベートバンクの資産家にとってのメリット(節税、為替ヘッジ、運用益、教育などの付加サービスなど)、プライベートバンクの経営の特徴(自己資産をリスクにさらすビジネスをしない)とその理由、日本の純資産(居住用不動産除く)100万ドル以上の個人は148万人、円/不動産の見通しと国際分散投資の有用性、平均余命の伸びによる生存リスクなどの重要点をわかりやすく説明している。
・ さらに、単なるビジネスの説明だけでなく、プライベートバンクあるいはリレーションシップ・マネジャーに求められる役割や資質についても述べている。
・わずかに残念なのは、納得しづらい値が出所なしに引用されている箇所。「米国では四人に一人が100万ドルを超える資産を持っている」(P.103)とある。ちなみに米国の個人「金融」資産はピーク時で513,132億ドル(2007年9月末、FedのFlow of Funds Accounts)。人口は3億1500万人なので1人当たり16万ドル程度である。他に不動産があり、分布の偏りを考慮すれば四人に一人が100万ドル超の資産を持つという説はありえないとは言わないが、出所は示してほしい。