人材マネジメントが優れているとされるグローバル企業において、如何なる人事施策が推進されているかを紹介した事例集です。
掲載されている事例は参考にはなります(ので★2つ)。
但し、ビジネス誌に掲載されるレベルを超えているとは思えません。各社が何故そのような施策を推進してきたのか、その狙いはなんだったのか、何故その施策だったのか、そもそも何故人をそのように重視しているのか、推進過程における摩擦・問題にはどのようなものがあったのか、それらを如何に解決してきたのか、今後どのような戦略・施策を検討しているのか、といった深い問いはされていません。掲載された事例を、ただ先進的だから、凄い企業がやっているから、というこれまでの日本企業が実施してきた底の浅い模倣の引き金にならなければいいのですが。
また、グローバル企業の日本法人の人事担当へのインタビューですので、グローバル本社における捉え方との相違があるかどうかが気になります。一方で、日本法人独自の考え方や運営の仕方という観点は載っていません。なぜ、グローバル本社へのインタビューではなかったのか、なぜ日本法人へのインタビューだったのか、についてはよくわかりません。多分、ヘイ日本法人で本書を企画したというだけのことなのでしょう。
あと、最初の章に著者の解説がありますが、あまり参考にはなりません。コンサルタントが解説するのであれば、各社の人事戦略・施策に対して鋭い切り口での質問や、それらに対する功罪を仮説でもいいので提示して欲しかったと思います。
最近の外資系人事コンサルファーム日本法人の書籍は軽めのものが多いという印象があります。企業と人の関係はどうあるべきか、といった骨太の提言をして啓発するというよりも、最新事例を紹介して営業に繋げるというものが多い気がしています。これがファームの狙いだとすれば、クライアントを馬鹿にしているといえます。