グリモワールは端的に言えば魔導書のことです。
「世界で最も危険な書物」とタイトルがありますが、このタイトルに魅かれて読むと後悔するでしょう。
そんなスリリングなものでなく、この本はあくまでも歴史の本です。
びっしりと詰まった文字でページ数も400以上あります。
淡々と参照資料から抽出されたグリモワールの世界史が書き綴られています。
個人的に速読の練習も兼ねて読みましたが、かなりのボリュームで疲れました。
この内容については面白く思うか思わないかは読み手の責任です。
おそらく著者は読者を面白がらせようという趣旨では書いてないでしょう。
この手の知識があり興味がある人には貴重な内容だと思います。
何かしら魔術の実践面で期待する人には役には立たないかもしれません。
議論になりがちの魔術書としての効力や正統性の歴史的検証が主目的ではなく、
この本の語る歴史はグリモワールが如何にコピーされてきたか、
どのようにバリエーションを膨らませてきたか、どのように禁書扱いなり、
魔術の実践者が如何に処罰、魔女狩りなどの対象になったかの歴史であるからです。
グリモワールがどのような歴史を辿ってきたかを詳細に知るには最適だと思いますが、
この膨大な一連の内容を整理して記憶に留めるのは一苦労で、
いっそのことWikiのグリモワールの内容で満足してしまうのも手だと思います。
グリモワールは西洋の一種のサブカルチャーであり、国家宗教であったキリスト教に対するカウンターカルチャーでもあったし、
おまじないや土着の信仰、古代宗教でもあったわけですが、どうしても、過激な方向に行ってしまう人々がいて禁書扱い、
規制の対象になってしまいます。なんか最近の日本の同人誌なんかと重なる印象も持ちました。
さて、個人的には終盤の章を読んでくると、最近のアメリカから発信されてくるスピ系の文化もどこかグリモワールと重なる系譜が
ありそう気がしてきて興味深くなってきましたが、それはそれで別途調べたり、他の書籍を当たることが必要だと思いました。