セカイイチ1年半ぶりのニューアルバム。
前々作、前作とは異なるエッセンスの作品となった。
セカイイチはその良さを伝えるのが難しいバンドの一つだ。
なぜなら彼らの個性というのははっきりと判るものではなく、
内側からにじみ出てくるような、独特の個性なのだ。
いってしまえば、彼ら自身が個性的だからとしか今の自分では表現できない。
このアルバムは今までの土臭く熱いロックから一転、少しクールダウンしたような
ゆったりしたサウンドと平熱に戻ったような冷静な歌詞が目立つと感じる。
特に頭の3曲、「勇気の花」「さいぎしん」「微熱少年」の畳み掛けが凄い。
全く特別なことや奇抜なことをやってないし、過激でもないのに
とてもインパクトや鋭さを感じる質感の3曲になっている。
サウンドもゆったりした、でも切れのあるちょっと他にはない質感なので
とても新鮮だし、また歌詞の世界も今まで以上にシニカルで情熱的なのだ。
「さいぎしん」という曲は楽曲自体はまるで水のように艶やかで流れるような
サウンドなのだが、正に水をさすように歌詞が苦く、批評性のあるものになってて驚く。
そしてこのアルバムの後編では前半の押しから一転、引くかのように静かで内省的な
部分も多く含んだ前半以上にしっとりとした楽曲で締められている。
このアルバムでキーポイントとなっているのはシングルにもなった
「RAIN/THAT/SOMETHING」という曲だと思う。この曲は真ん中に入っているのだが
ちょうど軸のような、一本の太い芯みたいな役割を担っている感じがするのだ。
また曲調的にもこのアルバムで一番キャッチーなため、正にブレークポイントというか、
何かが弾けたような感触を味わえる絶妙な配置だ。
個人的にこのアルバムは派手ではないが、クールなのに温かいエッセンスを感じる
セカイイチの最高作の一つになったと思う。かなり中毒性の高いアルバムかと。