新刊台に平積みにされていたので、手に取ってみました。 絵柄は、なんかこう、線が太めで可愛らしい感じで、表紙を見た限りでは苦手意識が働きましたが、実際に読み始めるとたいして気にはなりません。むしろ優しげな印象で物語の内容と合っていると感じました。 短編集でまったく異なる物語が集まっていますが、なんだか一つの世界のいろいろな形を示しているような気がしてならないのは、根本にある優しさだとか空気感だとかあたたかみが、同じ一線上にあるからなのだと思います。 どの話もとても良かったけれど、個人的には『花の恩返し』と『世界が終わる7日前』の二話が特に好きです。各話の後ろに後日譚が書き下ろしで載っているのもいいですね。すごくお得な感じがします。とにかく最初から最後まで描けるだけ描いてページを余すところなく使いきったようで、余分がなかったのか作者の方のあとがきなどのページは特別には設けられていません。 どの話も本当に良くて、ふとした瞬間にBLっていう枠を忘れてしまうような一冊でした。これだけあたたかみのある作品って稀少価値のような気すらします。