秋葉原事件加藤智大を中島岳志が社会人類学の研究者として言わば
社会世相を分析をする。
星野智幸との対談では、自殺・殺人を巡って、人間性について語り、
右翼・民族にまで話しがすすむ。中島がかかわる「ビッグイシュー
」を切り口にして話はすすむ。
大澤信亮とは、「ロスジェネ」から、加藤を論じる。引きこもりと
母子の関係は、鋭い指摘かもしれない。文学や自己責任論の話は、
面白かった。
重松清との対話は、他者との距離感というテーマが根底にある印象
深かった。オウム事件にしろ、重松文学は、深い洞察力を感じる。
開沼博の話の中で、ノンフィクション作家佐野真一が、秋葉原事件
は、動機と結果が飛躍していて、対象としてはつまらない、何が面
白いかと言えば、結婚詐欺殺人事件の木嶋佳苗だと言ったとのくだ
りは、事件に対する世代感の違いを象徴する分かりやすい話であっ
た。
週間金曜日に連載したものまとめた本であるが、総じて、中島岳志
が市民運動に積極的にかかわろうとの姿が感じ取れた。 一方で、
階級闘争という言葉が死語になったように、社会に対する個人の憤
怒は反体制・反原発とはならず、孤立する若者を彷彿させるテーマ
を語られるのは、今、読むのは酷である。