本書は2008年3月に第1刷の書籍なのですが、今現在、進行している中国に関する
事案についてリアルタイムでの評論が対談をもとにまとめてあります。対談は一回
四〜五時間、合計三回行われ、テーマの緊急性に鑑みて速記録のゲラに正確を期す
ため多少の朱筆を入れた後速やかに上梓されています。
それだけに本書は新鮮度が非常に高い!現時点で毒入り餃子事件やチベット暴動
事件に関して言及している書籍があるでしょうか?しかしその密度は非常に高く、
完成度の高いことに驚かせられます。今後後追いの形で多くの書籍が出版されます
が、本書を凌駕するものが出版されるのは時間がかかるのではないでしょうか。
中国人とは何者なのか、彼らの精神構造の歴史的背景を元に、理性的に分析してい
る姿勢は好感が持てますし説得力があります。
黄氏によると中国人の民族的な性質は4000年の歴史の中で戦乱のなかった年がな
い歴史的背景を生んだ中国の自然的環境と社会的環境があると述べています。中国
史をひもとくと、北から羊を連れて南下し、農耕社会を北から食いつぶしていった
のが漢民族のあり方だそうです。南方は暖かくて食料も豊富なため食いつぶしなが
ら南下すればいい。開発、創造の努力をせず、侵略と搾取だけでいい。その代わり、
土地に寄生して、徹底的に収奪する。そのため地下資源を食いつぶし、今度は世界
を相手に資源争奪やっています。そういった背景を知らずに中国を理解する事は
出来ません。とにかく日本人はそういうことを知らなすぎると言います。1968年の
日中記者交換協定を背景とした、中国に都合の悪い記事は書かない日本のマスコミ
に対しても厳しい指摘をしています。
このように本書はマスコミが口をつぐんでいる赤裸々な中国及び中国人像を、
根拠を元に明らかにしており、今後日本は中国とどの様に付き合っていけば良いか
を示唆しています。日本人なら必読です。