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世代間格差: 人口減少社会を問いなおす (ちくま新書)
 
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世代間格差: 人口減少社会を問いなおす (ちくま新書) [新書]

加藤 久和
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

年金破綻、かさむ医療費、奪われる若者雇用――。年齢によって利害が生じる「世代間格差」は、いかに解消できるか? 問題点から処方箋まで、徹底的に検証する。

内容(「BOOK」データベースより)

年金破綻、かさむ高齢者医療費、就職できない若者。少子高齢化の進む今、生まれた年によって受益と負担の格差が出てしまう「世代間格差」は、日本の現状と先行きを考えるうえでは避けて通れない問題である。なぜ世代間格差が生まれてしまうのか。格差はいかに解消すべきか。本書は経済学的見地から世代間格差を考察し、実行可能な処方箋を提示する。社会保障・日本型雇用・少子化対策などの問題点を多角的に検証し、新たな経済社会システムの構想を鮮やかに描き出す。

登録情報

  • 新書: 269ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/11/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480066357
  • ISBN-13: 978-4480066350
  • 発売日: 2011/11/7
  • 商品の寸法: 17.6 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 本書は、日本の年金、医療、雇用、政府の財政運営などについて記述した本です。「世代間格差」というタイトルであり、世代間格差についての分析が中心となっていますが、それにとどまらず現在日本の制度・システム全般を見渡したような幅広なテーマをカバーしている本です。

 著者は、1958年生まれで、現在、明治大学政治経済学部教授。「あとがき」では、「1999年度の公的年金制度改正を受けて、生まれ年ごとの年金給付と負担を試算したところ、自分は給付と負担が均衡する世代に当たっていた。そのとき、自分は高齢者世代と若者世代の中間に立ち、世代間問題のレフリー役ができるかもしれないと思った。」ということが書かれています。
 その言葉どおり、経済学の専門的観点から、客観的かつ丁寧に諸要素の分析・説明を行っており、信頼に足る記述がなされている本です。
 また、諸外国の制度を踏まえた今後の制度・システムのあり方に関する提言もとても参考になりました。
 「世代間格差」というと、ともすれば「年金問題」について考えてしまいますが、本書を読むと、日本の制度・システム全般が若者世代に厳しいものになっていることに気づかされます。多面的に問題が把握できる貴重な本です。

 なお、本書は、制度の説明や統計の分析結果について極めてきまじめに書かれた本であり、読むのにやや根気が必要な本です。なので、「てっとり早くざっくりと読みたい」というような人にとってはしんどい本かもしれません。
 
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
一読して驚嘆した。素晴らしい内容だ。研究者らしい多角的な分析と幅広く経済学の貴重な知見を紹介した誠実で有益な好著である。具体的な内容を以下に挙げておくので賢明な読者諸氏のご判断を頂きたい。経済学を志す学生から、心底から日本経済を憂うる心ある有権者、現代日本の沈滞感が気になる年配の方々まで幅広くお薦めしたい。

○日本では世代が若くなるにつれ、成長率は下がり失業率は高くなっている
○団塊の世代が社会に出た時の失業率は、何と1%台でしかなかった!
○公共投資の乗数効果は、80年代以降に低下している
○GDPの伸びよりも社会保障費の伸びの方が大きい。(=いつか必ず限界が来る)
○現金給付(児童手当や子供手当)では出生率は増えにくいが、現物給付では増える傾向あり
○世代間格差が大きな国は、経済成長率が低いという負の相関性がある
○年金制度はスウェーデンの自動財政調整システムやカナダのクローバック制が参考になる
○高度人材を選択的に受け入れる、イギリス型の移民政策が必要

細かい点で事実に反している箇所を指摘すると、日本の公的年金にはこれほど巨額の公費が既に投入されているのだから、カナダのクローバック制は税方式にしなくとも導入可能である。と言うよりすぐに実施すべき。

「若者の雇用状況の悪化が少子化を招いた」も正しくない。失業率の高い地方(例:沖縄県)の方が一貫して合計特殊出生率が高いのをどう説明するのだろうか。出生率の高い北欧は非正規労働者ばかりである。明らかに現物給付を含む家族政策の充実の方が影響度は大きい。
『消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし』

「女性労働者の逸失所得の大きさが少子化の一因」も正しくない。もしそうであるならば、正社員 < 契約社員 < パート・専業主婦・無職 の順で合計特殊出生率が高まってゆくはずだが、実態はそうなってはいない。女性のマジョリティの消去的選好と雇用環境改善の意志・動きの弱さの影響度の方が高いのではないか。
『女女格差』橘木俊詔

Data:読み込み度【熟読】社会的重要性【極めて高い】 入手元【書店】 お薦め度【Strong buy】
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
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「世代間格差拡大の本質的な問題は、高齢者と若者の間の損得といったことではなく、われわれの経済社会の制度・システムが制度疲労を起こしており、持続可能性が失われつつあるということにある」。

年金、医療、雇用形態の変化、所得、社会負担、少子化、就職難、同世代格差、生活保護、経済成長の鈍化、失業保険、教育、就業支援、待機児童、保育施設、女性の就労支援、巨額な財政赤字、移民政策、各国の制度の紹介、様々な提言。

世代間格差を総合的に検証し論じた本。抑制された文体で事実と論理を積み上げて書かれており、ひと言で言って中身が濃い。様々な調査結果や意見を紹介しながら、いろんな視点からこの問題の本質を明らかにしている。核としてある認識は、これは単なる世代間の対立ということだけでなく日本国の持続可能性に関わる深刻な問題だという危機感である。尚、世代間格差の要因としては、前半で以下の5つが挙げられている。
・人口構造の変化
・若者に頼った財政システム(社会保障制度の賦課方式など)
・日本特有の雇用慣行
・近視眼的な政策対応(経済対策、公共事業)
・経済成長の鈍化

終盤にまとめて書かれてある提言には、ありきたりなものと、賛否が分かれそうな思い切ったものが混在している。基礎年金を税方式へ移行する。2階建て方式として2階部分は積み立て制にする。年金給付の抑制策の導入。消費税増税。相続税増税。医療制度は軽微なものと多額の治療費を要するもので変える。一般家庭医制度の導入。積極的労働市場政策の強化。政府の歳出削減。第二子以降への支援を子供の人数に応じて増額して手厚くする。子供をたくさん育てた夫婦が年金も多くもらえるようにする。高度な知識を持つ移民の受け入れ。ただ、著者が対策としてその重要性を強調している経済成長をどのように実現するかについては、もうひとつはっきりしたものは浮かんでこなかった。

いずれにせよ、世代間格差は日本が抱える様々な課題と密接な関係を持った現象であることを改めて実感する機会になった。
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最近のカスタマーレビュー
読み応えのある内容 確かな見識 若い世代に読んでほしい卓見の数々
しっかりとした研究業績のある学者によって書かれた新書は実に読み応えがあると思いました。筆者の加藤久和氏は、明治大学政治経済学部教授で博士(経済学)の学位を取得して... 続きを読む
投稿日: 3日前 投稿者: sasabon
学術書っぽいのが難点。内容良。
明治大学政治経済学部教授の加藤久和氏の著作。

タイトル通り世代間格差に関して述べている。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: 2級を目指す者
よく整理されています。
人口減少社会からくる世代間格差について数多くの指標やデータを元にとても良く整理されており、いろいろな角度から世代間格差について知ることができた。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: よっち
もはやわれわれに残された時間は少ないことは明らかである。
本書は表題のとおりこの国の医療、年金制度を中心とする社会保険制度における世代間格差について、真正面から分析し、諸外国との比較から処方箋までも論じている。続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: 西山達弘
「年金」や「医療」などの制度改革に関する検討材料として
... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 仮面ライター
数字がはっきりと示され、ビジョンも明示されている
前半の世代間格差に関する現状の提示は数字が多く退屈な反面、現状分析には欠かせないデータを明らかにしてくれます。また制度としての矛盾点や疲労してしまった原因なども的... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: vatmideo
素晴らしい
素晴らしいに尽きる。本書は、財政、年金、労働、教育、医療、移民といった幅広いテーマについて学者的な視点で深い考察をしている。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: けせらせら
行政白書的で既読感あり
この本の最終章に、単身や子の少ない世帯は他人の子、孫に養ってもらうので社会保障のフリーライダー(ただ乗り)と述べているが、とんでもない、まったく失礼な話だ。ずーっ... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 光が丘
必読書
最近、世代間格差の書籍が次第に出始めている。

その中でも、本書は、年金・医療・介護の世代間問題のみでなく、... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: Keizai-Mania
世代格差論へのオールラウンドな入門
先だってラジオのdigで、H大学小黒先生の年金の世代間格差の話を
きいた。それによれば、世代会計の手法で算出した、若年・老人... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: 八王子狭間タウンズシニア
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