人生で初めて出合うノンフィクションとして創刊された、児童向けノンフィクションシリーズ「世の中への扉」第1弾。
適度にルビも振られ、小学校中学年程度であれば一人で読めるのではないか。
町の獣医師として診た、初期乳癌の犬を「安物の雑種だから医療費をかけたくない」と、安物を捨てるように扱う心ない飼い主の前に、獣医師として苦しむ犬を前に何もしてあげられず、人間への不信感を募らせる辛さを味わい続けるのでなく、以前からのライフワークであった野生動物に携わる獣医師として、環境省の募集とタイミングも合い転職した筆者。
そのフィールドは、感電・交通事故といった、人が開いてしまったザルの目から落ちて傷つく野生動物の保護、回復させて野に帰すだけでなく、人災の目止めとして死にゆく動物たちの数を減らそうと原因を突き止め、関係団体に働きかけ、ハンターからの脅迫文にもめげず講演会を続け、法整備されるに至るまでと幅広い。
筆者の活動は、6〜14歳まで過ごした仏ベルサイユでの原体験にある。
効率第1で自然を破壊し、子どもが自然に触れる機会もほぼ無くしてしまった自然豊かな国に住む読者一人一人が、筆者を讃えるだけでなく、自然保護へと関心を持つ本として、親子で学ぶ1冊。