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世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)
 
 

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (51件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

第6回(1972年) 吉川英治文学賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動
幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。その原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇

登録情報

  • 文庫: 313ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2003/03)
  • ISBN-10: 4167663066
  • ISBN-13: 978-4167663063
  • 発売日: 2003/03
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (51件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 われわれは、限られたこの世に棲む日々をどう生きるか?, 2007/7/20
By 
ちゃんどの - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 世に棲む日日〈1〉 (文春文庫) (文庫)
幕末をいきた師弟の史実をもとにした、はかなくも短い日々をどう生きるか、を問いかけられるような胸を打たれる峻烈なものがたり。

この超巨匠の幕末シリーズでも傑作中の傑作です。幕末の俊英たちに限りなく敬愛されシンボル視された吉田松陰と、その弟子で意志をつぎ、”天馬空を翔る”ような活躍をみせた高杉晋作。苛烈な運命の翻弄によりはかなくこの世をきえたが、後の世にはかりしれない影響力を残した若者ふたりのものがたり。

そう、このふたりのリーダーは若者だったことに改めて驚愕せざるをえません。。。松蔭の少年時代、ムシがとまったところをはらってもそれは私事である、として蹴り飛ばされたような、すさまじい精神修練の時間が、万人を超越した知識と思想を形成してゆきます。かれの処刑後に、弟子達はかれの壮大な人間像と思想を深いところでようやく理解し、それぞれの行動を起こしてゆくのです。

そのひとり、高杉晋作は電光石火のひと。長州軍はかれのつくった百姓たちが中心の奇兵隊の活躍と、度肝を抜くような用兵の妙により巨大な幕府軍を打ち破るのです。かれはたぶん肺結核で、20代でこの世を去ります。この名作のタイトルともなる。。。辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく。。。」は永遠の至言です。

やがてこの師弟をふくむ、幕末の若者たちがつくった激動のうねりが、時代を動かし、ついに今の日本へと続くわけですが、この地上に降りている今回の生の限りのある一日一日を、どのようにいきてゆくのか、と問いかけられているような、読後感が胸の奥深いところに残ります。

とくにこれからのわかいひとたちに、ぜひ、お読みいただきたい司馬文学の傑作です。
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43 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 坂本竜馬も西郷さんも大好き。しかし、高杉には泣かされた。, 2004/11/30
1867年(慶応四年)享年27歳の高杉晋作が、絵馬堂を前にして
功山寺で挙兵したとき、高杉晋作50人、伊藤博文30人。たったこれだけで幕府に第一次長州征伐で、恭順の意を示し屈服した長州藩本体3000の兵に向かっていった。伊藤が「この人と死ぬんだ」と思ったのも無理もない。高杉のすごさは、頭の回転と人望によって大逆転をしたことだ。絵馬堂を前に、悲壮さの中にすがすがしさがある。この天才を思うとき涙が止まらなかった。「面白きこともなき世を面白く」有名な辞世の句だが、冷めた目と人生や社会への達観は坂本竜馬と双璧だ。坂本も高杉も慶応四年に亡くなり、明治という年を見ることができなかった。維新の功労者でありながら不憫であると思った。伊藤博文が後年下関で、高杉の作った「どどいつ」を宴会で聞き、芸者に聞いたところ、作った人の名前を誰も知らない。伊藤は往時を思い(死ぬ事を覚悟し、必死で国事に奔走した当時の事を思い)ボロボロ泣き号泣始めるのである。私ももらい泣きしてしまった。大事をなした事を民衆に褒められる訳でもなく、自己の使命として人生を全うした高杉を思い、爵位、総理、官位を極めた伊藤が泣いた。もう兄と慕い命を預けた高杉晋作はもういない。吉田松陰の日本人の純粋な使命感に命をとした武士の姿を見る。それは西郷、大久保とも違う。坂本とも違う。
高杉晋作がなければ今の日本はない。

西郷、大久保、坂本がいなかったら日本がなかったのと同じように。

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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 高杉晋作、凄すぎ。, 2010/4/13
レビュー対象商品: 世に棲む日日〈1〉 (文春文庫) (文庫)
高杉晋作、凄すぎ。

現代の日本はこの時期に形成されているので、彼がいなかったら全く違ったものになっていた可能性もある。歴史に与えた影響力という点では、坂本龍馬を上回っているのではないか。

2巻のなかばで吉田松陰は死んでしまうので、あとは高杉晋作の活躍がメインになる。

圧倒的な戦力(科学技術)で開国を迫る欧米。まともに戦っても勝ち目はない。そういうときにどうすべきか。弱腰の幕府は欧米の言いなり。高杉のとった戦略は、『幕府の統治者としての正当性を否定し、天皇を象徴的な日本の統治者として、長州は独立し欧米と戦う(尊皇攘夷)。長州は敗北して焦土となるだろうが、そのなかから本当の新しい日本が生まれる』というものだった。しかも、途中から攘夷の意識は後退して、欧米とはうまく付き合って、幕府を倒すという風に方向を変えていく。ただの田舎の弱小藩だった長州藩が、狂気の藩となって歴史を動かし始める。夥しい血が流れる。

実際に、長州はイギリスと開戦して、あっさりやられてしまう。薩摩と会津の陰謀で反天皇のレッテルを貼られるし、幕府も長州に攻めてくる。そこでの高杉の活躍は信じがたい。超人的である。

長州内でも佐幕派と改革派の間の勢力争いは凄まじいが、不利になったときの高杉の逃げ方も天才的。日本で始めて、農民や商人の混成部隊である奇兵隊を組織するが、権力に対する執着がない。ある程度、仕事が終わると、あとは芸者遊びに明け暮れる。なんというやつだ。こんなやつがいたのか。

興味深いのは、高杉が上海へ洋行したとき、『西洋文明の正体は道具であり、そのモトは数学だ』と認識して、上海で数学書を買い求めている点である。世界を見ることができた高杉と見ることができないまま死んだ吉田。世界を見たことは、後の高杉の行動に大きく影響してくる。

この本を読めば、明治維新は、実は革命以外の何物でもないことが分かる。
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