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世に棲む患者 中井久夫コレクション 1巻 (全4巻) (ちくま学芸文庫)
 
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世に棲む患者 中井久夫コレクション 1巻 (全4巻) (ちくま学芸文庫) [文庫]

中井 久夫
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「病気をとおりぬけた人が世に棲む上で大事なのは、その人間的魅力を摩耗させないように配慮しつつ治療することであるように思う」。治療者はもちろん、病者も社会の中で生きてゆかねばならない。しかも、病の進行あるいは治療の過程に伴って、その関係の変数は多様化し、無限に変化していくことになる。では、「治療者というものは、常識と社会通念とを区別して考えるべきである」とする著者は、具体的にどう対処してきたのだろうか。アルコール依存症、妄想症、境界例など身近な病を腑分けし、社会の中の病者と治療者が織りなす複雑で微妙な関わりを、豊かな比喩を交えて描き出す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中井 久夫
1934年、奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。現在は神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 338ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/3/9)
  • ISBN-10: 4480093613
  • ISBN-13: 978-4480093615
  • 発売日: 2011/3/9
  • 商品の寸法: 15 x 10.5 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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38 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By okuno40
私の子供がこの病気を患い、11年目。下の子供が就活。それを見て、長男が、焦り気味でありました。

今でも、仕事をしない人間は半人前みたいな、貶めが、患者を、傷つけているのだろうと思います。中井先生は、無理に働くことがないという立場の先生で、これを読んで、
長男に胸を張って、ぶらぶらしておきなさい。今あなたは、治療という大事な仕事をしているのだから。というと、本当に、安心したような顔になり、家族もホッとしました。

後ろ半分は、中井先生のフレーズです。

実際治療には中井先生以外のパターンも書いています。ただ不思議なことに、中井メソッドをつかうと、子供の症状は改善していくのが、よくわかります。ほかの本は抽象的で役に立ちませんでした。

新薬以前の治療が、主であった中井先生の方法が、リスパダール以後の新薬にも十分通じるという普遍性に驚いています。

症状にかんしては、新薬以前が多彩であるため、新しい本には載っていない、微妙な変化<たとえば微分回路的なものの失調など>が、多く書かれているので、とても参考になります。

この本に関しては、治療者よりも、患者家族向けのヒントが、多いように思われます。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ER トップ1000レビュアー
Amazonが確認した購入
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「プライドの高い人」とは、一般に自己評価の低い人である。
だから、他人からの評価によって傷つくのである。
逆にいえば、他人からの評価によって揺らぐような低い自己評価所持者が
「プライドの高い人」と周囲から認識される。
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無給で働いてくれている人には病人は正当な苦痛を言うことができない。
(中略)ヴォランティアなどの「昇華」が潜在的には病的現象である(中略)
わずかな金額でも支払う方がよい。
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サリヴァンは昇華と妄想とが近縁だと言っている。
たとえば慈善事業に打ち込んでいると、
他のことをしている人間は皆するべきことをしていない人間に見えて来て、
自分の仕事に参加すべきだと考えるようになり、
「わずらわしい大義の人」になるという例を挙げているが、
これは確かに妄想症の一歩手前である。
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「治療者」と名乗ると治療をしていないとあいすまないみたいな気になって、
今日も前進しなかった時落ちして一日が終わることになりがちだ。
しかし、人間というものはそう前進するものではない。「健康人」は滅多に進歩しない。
だいたい同じようなことをやって日を送りつきを送っているのである。(中略)治療者の仕事とは、
「患者の人生をできるだけ無理のないゆたかでふっくらしたような軌跡を描いてまっとうできるように援助する」
というくらいのところではあるまいか。
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「病気はこの程度でしかない」という限界づけがないと、患者は安心できない。
医者は「虫垂炎であり、かつ虫垂炎でしかない」ということをいわなければプロではない。
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非常に頭のいい、アンテナのするどい精神科医というのは患者さんの話を聞いて、
その中から患者さんのすべてを見抜こうというふうにやりますが(中略)
あの先生の前にいくと全部見抜かれているような感じがするというのは、
これは患者に対して非常に威圧感があるんですね。
黙って座ればぴたっと当るというような感じの精神科医というのはいないことはないんですけれども、
結局長い目で見ますと、余りよろしくないんですね。
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(二宮尊徳が)村を立て直すというときに本当に村が立て直ったというのは、
二宮という人が村の立て直しにタッチしたというようなことは忘れてしまって
自分たちの力で村を立て直したんだというふうに思うようになったときに初めて再建できたんだ
ということを書いている(中略)まさに精神科医あるいは一般に医者というものと同じだなと(以下略)
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治ったらいいことが待っている場合は治りがいい。
(中略)治ったらいいことが待っているということでなければなかなか患者は安心して治りにくい。
(治ったら怖いお姑さんが待っているというような場合など)
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(引用ここまで)

臨床に際して、折に触れて思い出しては参考にしていきたい言葉の宝庫。
引用できなかった部分にも、非常に心打たれる箇所が多い。
文庫で1300円は高い気もするが、実際にはお買い得。
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22 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
中井久夫医師は、精神科医がどうあるべきかきちんと考えていた人であると本稿を読んで強く思う。
本書に所載された文章は1977年から始まり80年代にかけて書いたり、講演したものである。

その中のたった二つの文章に、中井久夫氏の精神科医師としての確かさを僕は見た。
「(統合失調権の患者は)多数者の途に参加することが唯一の道だろうか。敢えていえば、最善の道だろうか
 少数者として生きる道を積極的に探り当てることにひとつの活路があるのではあるまいか」
「精神科医の特技というのはあんまり科学的なことはございませんで、強いて申しますと患者さんの話を聴くこと、
 もっと狭く言うと患者の話を聞いてまとめるのがうまいというのが唯一の取り柄です」

すべての精神科医、心療内科を標榜する医師、臨床心理士はこの本を読むべきである。
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