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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
また見られることを喜びたい,
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レビュー対象商品: 不連続殺人事件 [DVD] (DVD)
このDVD版の発売は、とてもうれしい。まさか平成の今、本作に再見できるとは思っていなかった。 本作は、若い頃に封切り直後の単館ロードショーで見た。 その後、一度TVで放送されたのを見た記憶がある。 名画座などでは、ときどき上映されていたようだが、その後は見る機会がなかった。。 もちろん原作は坂口安吾の同題作品であり、本作はそれをかなり忠実に映画化したものだ。 とにかく原作は登場人物が多い。 最初の2ページでほとんどの人物の名前が出てくる。 しかし小説では、その区別をつけるのが名前だけだ。 だから、かなり苦労して読んだものだ。 映像化されると、その区別が顔や声でできるので、かなり楽になる。 そして各人物のキャラクターも、ヴィジュアル化ですんなりと頭に入ってくる。 何よりATG作品なので、ミステリ映画なのだが画面が美しいというか、安定している。 これは高林「本陣殺人事件」とも通じるものがあるが、見ていて不安になることがない。 下手な映画は、見ていて気分が悪くなるんじゃないか、という不安がつきものだ。 そして何より、配役がまたきまっている。 小坂一也の巨勢博士も、登場当初は若干の違和感もあったが、なかなかいい味を出している。 その他の俳優陣も違和感が少なく、けっこう原作のイメージを損なわない。 だから、原作を既読の私が、本作はすんなりとストーリーにはまることができた。 犯人とその真相にいたるロジックもまた、原作通りにキチンと作られている。 つまり、ありがちな妙なオリジナリティーが、本作の場合はほとんどないということだ。 これは、原作を知っている者にとっては、実にうれしいことだ。 日本のミステリ映画というと、本作と同時期に制作された市川版「横溝金田一シリーズ」が有名だ。 しかし本作は、それに一歩もひけを取るものではない。 いや、映画の出来をトータルで評価したら、完成度はこっちのほうが上だろう。 俳優陣も熱演だし、原作の持つゲーム性、退廃的なムード、悲喜劇性を、うまく演出している。 これは原作を知っている人にも知らない人にも、お勧めの傑作ミステリ作品だ。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
祝!発売。「汝、称賛あるべし」。,
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レビュー対象商品: 不連続殺人事件 [DVD] (DVD)
監督の曽根中生さん、湯布院だかの映画祭に突然現れたそうですね。それに合わせたわけでもないでしょうけど、DVD発売はうれしい限りです。他のレビュアーの方も指摘されている通りで、この映画が封切られた年には、春に「悪魔の手毬唄」、夏に「陰獣」、秋には「八つ墓村」も公開され、ちょっとした推理映画ブームの趣がありました。残念なことに、これは上映館が少ないATG系ということもあって、大手映画会社が繰り広げる大宣伝の陰に隠れ、あまり話題にはなりませんでした。でも、出来栄えに関しては、原作に忠実に、しかもその良さを尊重して成功しているのは、この映画だけです。他のは全部、原作の良さが台無し。 なにしろ、安吾原作のキザなセリフを、そのまま俳優が喋るんですから、原作ファンにはたまりませんよ。 また、変人奇人ぞろいの登場人物たちを演じた、個性派の出演陣も見どころですが、なかでも内田裕也さん、もうこれ以上は無いっていうぐらいの適役。内田さんをキャスティングした人、慧眼です。 それと、舞台となる山間の大邸宅。あの屋敷のおかげで、ATG特有の貧しい匂いが、画面からは感じられません。おまけに、木炭バスまで出てくるし、かなりゴージャスな映画です。 特筆すべきは、一堂に会して個性をぶつけ合う登場人物たちを、スコープサイズの画面が見事にとらえていること。DVDも、スコープサイズでの収録は必須要件ですね。昔テレビの深夜時間枠で、テレビサイズにトリミングされたのを見ましたが、最悪でしたから。
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ATG映画史上異色の本格ミステリーにしてエンタメ映画。,
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レビュー対象商品: 不連続殺人事件 [DVD] (DVD)
40歳以上の日本映画ファンで、ATG映画に特別な思い入れがある方は少なくないと思う。前衛的で難解な1000万映画が並んだ創世期から、時代の流れと共に次第に商業主義的路線へと変遷を遂げていった感はあるものの、時が経っても、ATG映画が、映画人たちにとって、既成の大手映画会社では企画が通らなかったであろう題材を自らの作家性と野心を以てフィルムに叩きつけていた事には変わりがなかった。 そんな中で、ミステリー映画としての純粋エンタメ路線である今作は、異色中の異色作だったのではないだろうか? つまり、まるで、ATGらしくないのだ(笑)。 ATG製作のミステリー映画と言えば、他にも高林陽一監督による「本陣殺人事件」が思い浮かぶが、こちらは低予算を逆手に取り、横溝正史のおどろおどろしい情念と血のドラマを凝ったカメラワークとあの複雑な密室トリックの忠実な映像化で、やはり作家性ある映画との印象が強いが、こちらはホントに出来の良い2時間サスペンス・ドラマみたいな感じだ。 文豪にして無頼派作家の坂口安吾が書いたミステリーとして有名な原作小説は、多種多様な登場人物が一堂集まった中で連続殺人が起こると言う今日では定番のシチュエーションを我が国で初めて構築させた推理小説としても知られている古典的名作。 若い頃から熱烈な安吾の愛読者だった曽根中生監督は、折しも角川映画で横溝ブームが巻き起こっていた中、自分も本格ミステリーを撮りたいと切望し、この企画を持ち込んだらしい。 その凝りようは中々のもので、劇中、29人もの登場人物たちが食卓を囲み晩餐するシーンをワン・ショットで捉えた構図は、定石ながら実に壮観だし、ゾクゾクする。 田村高広、夏純子、金田龍之介、宮下順子、内田裕也、楠侑子、殿山泰司、伊佐山ひろ子、根岸とし江、桜井浩子等々、映画演劇界の個性派俳優が大挙出演。探偵役に小坂一也、彼が演じる巨勢博士は、恐らくミステリー映画に登場するヒーローとしては最も弱々しく優しいキャラクターだ(笑)。 曽根以外に脚本家としてクレジットされているのが鈴木清順や若松孝二の助監督時代の同志である大和屋竺、荒井晴彦、田中陽造の3人。何故これだけの面々が参画したのか、誰がどの役割を担当したのかが気になるが、凄い顔ぶれだ。 大富豪、作家、詩人、仏文学者、歌人、画家、女優ら浮世離れした者たちが織りなす愛憎のドラマと8人の犠牲者。 次は誰が殺されるのか?そして果たして犯人は誰なのか? 残念ながらあまり話題にならなかったのは、同年に、東宝の金田一耕助シリーズの最高傑作である「悪魔の手毬唄」が封切られていたからと推測する今作、ミステリー映画ファンなら押さえておきたい作品だ。
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