原題が「THE AGE OF THE UNTHINKABLE」、思いもよらないことが起こる時代、つまり予測可能でないということで、邦題では「不連続変化」と表現しています。
表紙にも砂山がデザインされていますが、物理学者パー・バクが研究した大規模な複雑系の理論―大きくなった砂山にどの一粒が加わると崩壊するかは予測できない―を、政治や金融など社会システムに当てはめて検討しています。
さまざまな失敗例(イラク戦争にも手厳しい批判を下しています)や成功例(インターネットの危機の回避など)を下敷きに、国家や個人がどのような考え方で立ち向かっていくべきか、提言してくれる内容となっています。
人間は砂粒ではなく思考力を持っているので、旧来の考え方にしがみつくお偉方に頼らずに一人一人が彼の提唱する「ディープ・セキュリティ」を実現すれば、対処できるというオプティミズムが根底にあります。(ちょうどクリスマスに本書を読みましたが、ジョン・レノンのクリスマス・ソングの歌詞「War is over, If you want it」を思い起こしました)
当たりもしない「予測」によって世界をますます悪くしている政治や経済のリーダーが、この考え方に"Change"できるか。できれば、20世紀を乗り越えたと言えるのでしょう。