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不老不死は夢か―老化の謎に迫る
 
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不老不死は夢か―老化の謎に迫る [単行本]

瀬川 茂子
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商品の説明

ブックレビュー社

老化の原因は遺伝か環境か? 回答を求めて世界の老化研究最前線を探索すると「性と死」の起源に行き当たる
細胞学,遺伝学,コンピューターを応用した仮想細胞実験室などの老化研究の最前線を女性科学記者が,米国,日本におけるその分野の第一人者を訪ね歩き,老化のメカニズムがどこまで解明されているのかを探る。老化の原因という犯人を追うロードムービーを見るような科学ルポである。犯人捜査の仮説は2つ。一つは「エラー蓄積説」。細胞中の遺伝子や蛋白質に傷がたまって修復困難になるというもの。もう一つは「プログラム説」。発生の過程と同じように老化の過程も遺伝情報の中にあらかじめ設計図が組み込まれているという。

およそ30歳から身長は年に約1.5ミリずつ縮む。40歳を過ぎるとふくらはぎが細くなり,60歳を過ぎると1日の消費カロリーは毎年12カロリーずつ減る。視力や聴力もにおいを識別する能力も衰える――このように,とかく嘆き節になりがちな「老化」も若い女性記者の手にかかると情緒を排した知的謎解きゲームに。いまのところ手がかりはほんの少し。「手にしているピースが何なのかは,将来,パズルが完成したときに,はじめてわかる」。

今現在分かっていることは,(1)寿命を延ばす方法は摂取カロリーの制限,(2)年を取ればとるほどがんにかかりやすくなる,(3)老化は生まれたときから始まっている―といったところ。驚くべきことは,地球に生命が誕生して10億年は原始的な生物は事故や飢餓以外では死ななかったという。生物が宿命=プログラムとしての「死」を持つに到ったのは有性生殖を始めてからだ。総体としての地球生命(ガイア?)の壮大な時間にくらべれば個体が生きる時間は一瞬。「死にたくても死ねなかった細胞が死ねるようになった。寿命は進化の過程で獲得したもの」という結語は不老不死という人間の夢がいかに矮小なことであるかと思わせる。 (仙台白百合女子大学 非常勤講師、老・病・死を考える会世話人 尾崎 雄)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介

「老化」と「死」の謎は、どこまで解明されたか!
現代科学は、とうとう寿命を操るすべを手にしつつある。老化研究の最前線で、いま何が起こっているのか?その成果は、われわれに「不老」をもたらすのか?さらには、「不死」すらも可能になるのか?


登録情報

  • 単行本: 222ページ
  • 出版社: 講談社 (2000/04)
  • ISBN-10: 4061542478
  • ISBN-13: 978-4061542471
  • 発売日: 2000/04
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,055,407位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
 朝日新聞記者が、科学欄の連載「寿命の設計図」(1998年10月〜12月)に加筆したもの。「老い」の科学に携わる日米科学者の研究を伝える。かなりの取材量。

 なぜ生き物は老いるのか。この問題は細胞が舞台となる。一つ一つの細胞が若さを失えば、それが一個の生物全体の「老い」を意味することとなる。もし、「老い」を作り出すDNAの場所を特定できれば、「老い」をコントロールできるかもしれない。この本で語られるいろいろな研究の基本的なスタンスはそんな感じだ。

 前半は、「命の回数券」とも喩えられるテロメアが話の中心。
 テロメアはDNAの端っこの部分。細胞分裂を繰り返すことによりテロメアがじょじょにすり減っていき、限界の長さになると細胞分裂が止まってしまうといわれている。「ヘイフリック限界」とよばれる、細胞分裂は50回ほどで必ずストップする現象を発見したレナード・ヘイフリック博士など、その道の重要人物が多く出てくる。

 後半は、遺伝子の持ちつ持たれつの関係を説きながら、老化のメカニズムを探る。
 細胞の大きさはだいたい0.02ミリ(20マイクロメートル)ぐらい。人間でもっとも大きな細胞である卵子でも、0.1ミリ。鉛筆を紙にちょんと付けたときの黒ポチ程度だ。そんな細胞一つ一つを覗いてみると、ある遺伝子が別の遺伝子と結びついて、また別の遺伝子に働きかけて老化を抑える、といった複雑なプロセスが繰り広げられている(あなたの体でも!)。風が吹くと桶屋が儲かるような話だ。

 遺伝子の複雑なプロセスのところは、図解があってもよかったかも。でも他の部分は、たとえば「死」を桶に入った水に喩えるなどして、わかりやすく伝えようとしている。アンチエイジングに興味ある方や、生命科学の動向について知っておきたい方はどうぞ。
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