企業不祥事を起こした際、告知の仕方、マスコミへの対応の仕方を業務の流れに沿って書いた本は数多く眼にしますが、本書は、非常に具体的に書かれています。発生した事象を告知する判断を定量、定性、社会的責任経営の3つ分類し、特に定性的判断では、起した事象を法令違反、品質事故、品質問題に分類しているところなど、実務に携わる者にとって、納得感があります。また、本書は事象を発生させた際に、なぜきちんと対応しなければならないかを、消費者基本法を中心に、消費者政策、消費者関連法、社会の批判的な眼などの社会的環境まで網羅的に言及しています。特に司法制度改革にも触れているところに著者の視野の広さを感じました。
この点、不祥事を起こした際の対応だけでなく、クレーム等、日ごろからお客様対応を行っている電話部門の社員に対し、現在消費者がどのような環境でどう権利を主張してくるのか説明する上で、大いに参考になります。また、一般の業務を行っている社員の些細なミスや意識の低さが個人情報の紛失/漏洩等の不祥事に繋がっていますが、一般の社員の注意喚起にも活用できます。そういう意味で本書は、本当の意味で不祥事の根源を絶つ、不祥事を防ぐ方法を教えてくれています。