区分マンション投資の推奨本。と書くとワンルームマンション投資かと思うだろうが、さにあらず。
ファミリータイプのマンション投資に絞って書かれた本です。
ワンルームマンション投資の本は探せば多いが、ファミリータイプを薦める本は何故かない。
著者はエリアを東京都内の中心部の5区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・目黒区)に絞り、
優良物件がなければ新宿区・文京区・世田谷区の3区を加え、それでもなければ23区まで広げて探します。
但し、港区・品川区・江東区では今後のタワーマンションの乱立が予想され、そうなると供給過剰になりますことを指摘。
築年は10年以内の新しいものです。基本的には出口を意識して「最終的には売却して利益を確定させます」。
それを考えるとあまり古いマンションは売却の際に売れずに困ることになります。
マンションの規模が200戸以上あるものを選びます。それだけの戸数だと基本的に管理状態はしっかりしていて、
修繕計画や積立金等も運用されている可能性が高いことからリスクヘッジになります。
但し、前述の「タワーマンション」は除きます。タワーマンションは今後の乱立による供給過剰で高値掴みの危険が大きい。
つまり200戸以上の規模でタワーマンション以外となると、低層で敷地が広いそれなりにブランドのある物件で
あまり候補となる物件の数自体が少なくなってきます。
そういった物件がオーナーチェンジで出てこれば狙い目です。将来的に賃借人が退去した後に「実需需要向け」として売却すれば
購入時の2割増しくらいで売れるはずです。これはオーナーチェンジ時と、空室時での価格差を突いた戦略であるといえます。
購入の際には「自己資金を多めに入れる」ことが他の不動産投資本では推奨されていますが、
著者は出さなくて済むなら自己資金は少ないに越したことはなく、金利は自宅用として「住宅ローン」で借りておけば、
事業用として借りる場合よりも安い金利で借りられ、さらには期間は可能な限り長く借りることです。
新築はあまりにも割高なので投資対象からは外れます。あくまで中古のファミリータイプのマンションです。
しかも人気の都心5区ですと、借りられる層自体がそもそも月額賃料で20万円以上出せる人という点で限られてきます。
これは募集の際にそもそもの「パイが少なくて奪い合いになること」を示唆してもいますが、その分「属性のよさ」は確かです。
賃貸市場が今後は供給過剰と人口減少のダブルパンチに悩まされることを考えれば、他の周辺物件に入居している店子に営業を掛けて、
自分の物件に住み替えさせるくらいのことは今後は必要になってくるかと思われます。
全体的にページに文章の割合が高く、図はほとんどありません。だからこそ「身がギッシリと詰まっている」印象はします。
区分投資推奨本の中では明らかに「異色な内容」です。
基本的に「区分は現金買い」が成功の法則だと思うのでローンを組んでの購入である分★4ツですが、
書いていることに説得力もあり、少なくともインチキ本の類でないことだけは確かです。