『世界シリーズ』の2作目になります.
ミステリは大掛かりで,それっぽい推理や図解もあるのですが,
前作同様,物語のためという程度で,本題はあくまでもそのあと.
急な場面展開にはやや戸惑わされるも,真相にはおどろくばかりで,
同時になんとも言えない感情がこみあげてきて,気分が悪くなります.
その上で読み返してみると,あのときの言動は…とまたイヤな気分に.
おそらく,1度目より2度目のほうが,よりグサリときて楽しめるのでは.
このあたりの受け止め方で,かなり好き嫌いの別れる作品になりそうです.
ただ,少し気になったのは,冒頭からつづく掛け合いなどの多さ.
おもしろいのですが,他作品でも見られるため,ややマンネリ感が.
ほかでは,キャラクタの設定上仕方ないのですが,探偵役の影が薄く,
強烈な個性を持つと語られるも,今ひとつ伝わらなかったのが残念です.
物語に繋がりはないため,こちらから読んでもだいじょうぶですが,
独特の世界観はシリーズ共通で,前作からの『ゲスト』も出てきます.
そのため,できれば前作のほうから先に読まれることをおすすめします.
あと,このシリーズのイラストは,すべて章の先頭に入っているのですが,
本作では,物語の核心に触れるようなイラストがいくつか含まれていました.
これにはちょっとガッカリで,未読の方はそちらにも注意したほうがよいかと.
また,あとがきも先に読まないようにしましょう.『楽しみ』がなくなりますよ.
なお,同時刊行されたハードカバー(講談社BOXピース)版との違いは,
イラストの有無(あちらにはなし)とあとがきで,内容は同じとのこと.