山崎豊子の戦争三部作の1つで彼女にとっての最長の作。
主人公は伊藤忠商事の瀬島龍三元会長(元陸軍中佐)がモデルといわれている。
ドラマ化を機に読み返しており、シベリア抑留が強烈なインパクトだが、一番印象に残るのはこの巻の主人公の親友の空将補の言。
「俺が防衛庁に入ったのは、警察予備隊以来のマッカーサーの手紙一本で作られた自衛隊を、日本の国民に支持される自衛隊にしたいという理想を持って入ったのだ。
軍国主義の手先だとか税金の無駄遣いだと非難され、石を投げられる自衛隊では無意義だ。
どんな綺麗ごとを並べようと独立国として国際社会の中に伍していくためにはどうしても最小限の武装は必要であり、戦争をしない、いや戦争をさせないための役に立つ自衛隊とはどんなものであるか、それを政治家や内局に対して強く訴え、国民にも納得してもらえる自衛隊にしたい。」
「憲法九条の規定のある日本では非武装中立という強い論議があり、その中で強い防衛力を整備していこうという自分の意見はいつも白い目で見られる。
しかし戦争の悲惨さは、軍人としてこの前の大戦を経験した自分たちが一番よく知っており、日本が平和国家であり続けることは絶対の理想だ。
だがそのためにはどこからも手出しをさせないだけの強い防衛力が必要で、日米安保条約が存在していても、自分の国も独立は自分の力で守る義務がある。」
ドラマでは柳葉敏郎が演じるようだがこの台詞は出てくるだろうか。