著者の小説は結構読んでましたが、本作はドラマを見て興味を持ち読みました。
1巻の内容は昭和20年〜31年までの期間で、8割がたがシベリアの抑留生活です。過酷という言葉でも表現しきれない凄まじい描写があります。
ドラマでは壱岐が部下に向かって
「極北の流刑地で囚人番号を捺され、地下数十メートルの暗黒の坑内で鶴嘴を持ち、11年間にわたって重労働を課せられた」
というセリフがありますが、1巻の内容はまさにこれです。
主人公壱岐の視点で描かれているのでシベリア以外の日本の政治動向などは一切情報がありません。なので抑留生活がなぜ終わったかという
点については曖昧です。
作者の描く人間ドラマは時代を超えた普遍性があり、エンターテイメントとしても十分面白いし、歴史を知るという点でも知識欲を満たしてくれます。自分もまさか30年も前に書かれた小説にこんなにはまるとは思いませんでした。
蛇足ですが1巻で登場する主要人物のモデルを紹介しておきます。
壱岐正 →瀬島龍三
大門一三社長 →越後正一
里井専務 →中村貞夫
秋津中将 →草場辰巳
谷川報道部長 →長谷川宇一
竹村参謀副長 →松村知勝
実名登場
山田総司令官
秦参謀長
梅津総参謀長ほか極東国際軍事裁判の被告全員