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「その日曜日の午後、麻他子は自分のために水色の麻のスーツを着、男のためにバラ色の下着をつけて家を出た」
「麻他子は夫に対して、小さな仕返しをいくつかする。たとえば夜のおかずを一品少なくする、シチューはレトルトを使うといった些細なものであるが、それでも仕返しをするとしないではだいぶ気分が違う」
麻他子の気持ちを疑似体験しながら、人間の自分ではコントロールしきれない膨大な欲望に圧!倒されながら、でも、やっぱり恋愛はいいなと思いながら読んだ。
蛇足ですが脇役のキャラクターが良いです。
結婚に飽き足らず、でも損をしたくないので細心の注意を払って不倫。主人公は考え、逡巡しながらも突き進んでしまうのですが、その元になっているのは、女性なら普通に持っているずるさや計算高さです。でもこんな女性を、作者は時々、滑稽に見せようとしているみたい。例えば、食事中、白くゆれる豆腐を見て女性の体を想像し欲望をたぎらせたり、キッチンに漂うかすかな肉の腐臭の前で「聖なる静けさに包まれ」たり。 作者は女性が人に普段見せない部分を徹底して描いてくれる、ちょっとコワイ人ですが、期待を裏切らない作品です。
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