同じ著者の「階級にとりつかれた人々」と合わせて読みました。
どういう経緯でこの本を読むかで本の評価は違うと思いますが、私はBBC版「高慢と偏見」を見てより深く19世紀イギリス社会を知りたいと思いこの本を見つけたので、なるほどと思うところがたくさんありました。現代の女性から見るとちっとも生意気に見えないエリザベスが当時の社会では何故生意気な娘と受け取られるのかもわかります。また、この作品を基にして作られた「ブリジット・ジョーンズの日記」が大ヒットしたのも納得がいきます。母親が言葉の選び方話し方でなるべく上のクラスに見せようとしているところなど、この本を読んでからもう一度映画を見るとイギリス人には分る細かな仕掛けが見つかって楽しめます。
「嵐が丘」「レベッカ」「日の名残り」などなどイギリス映画好きにはよい参考書になります。「階級に取り付かれた人々」の方を読んで「リトルダンサー」「秘密と嘘」「ノッティングヒルの恋人」を見ると階級社会の壁と言う視点からも興味深く見られます。
苦言を一つ。「高慢と偏見」の解説のなかで詐欺師の色男ウィッカムの名前を他の作品に出てくる似たような人物の名前と間違えているのが残念です。このような細かなミスから著者は本当にこの本を読んだの?と著作への信頼が失われることもあります。編集者、作者はもっと丁寧に仕事をするべきではないでしょうか。