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不東庵日常
 
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不東庵日常 [単行本]

細川 護煕
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

60歳を機に政界を引退した元首相の著者が、湯河原の自邸・不東庵に隠棲して読書と作陶の日々を綴った随想集。己を見つめ、たゆまぬ研鑽を積む姿を伝える、『週刊 やきものを楽しむ』に連載され好評を博した文章に、細川氏のこれまでの、そしてこれから生きていくうえで生活の核となる読書論を加えて1冊に。今や陶芸家としても知る人ぞ知る細川氏の、生き方への洞察とやきものへの熱い想いに満ちた文章は、人生の晩年をいかに充実させるかという示唆に富み、人生後半にさしかかった世代の方々に深い共感を呼ぶことだろう。 近況を伝える写真15点が入り、巻末には、細川氏の毎日を支える本「わたしの残生100冊」のリスト付き。

内容(「BOOK」データベースより)

湯河原の私邸・不東庵での晴耕雨読と作陶の日々。元首相の充実した残生の実践。

登録情報

  • 単行本: 261ページ
  • 出版社: 小学館 (2004/05)
  • ISBN-10: 4093875073
  • ISBN-13: 978-4093875073
  • 発売日: 2004/05
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 323,216位 (本のベストセラーを見る)
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 冬の暖かな鎌倉の海岸で VINE™ メンバー
形式:単行本
細川さんと私は生まれも育ちも違いすぎて比較のしようもないんですが、ただただ、隠遁生活っていいなあ、とあこがれます。
私にはそのための広大な別宅などもないわけだが。
それから古典に親しむという姿勢にも共感を覚えました。
私は子供の頃、古典の素読の特訓を受けたわけではないので古典を読みこなせるわけではないが。

まあ、こういう(精神的な意味で)優雅な生き方をしている人がいるんだなあと、不思議な感慨を覚えるのは確かです。
そしてなぜか嫉妬ではなく、親しみを感じてしまうのは細川さんの人柄なのでしょう。

このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
細川さんは元首相、お殿様、近衛文麿の孫という程度のイメージしかなかった。所詮お殿様のお遊びが書いてあるのだと、はっきり言ってあまり期待していなかった。なかなかどうして全てに造形が深い。焼き物、釣り、古典などなど、読んでいて楽しくなった。古典の解説などは、専門家でないので返って平易で分かりやすく、古典に興味が出てきた。この続編である「ことばを旅する」も是非読んでみたい。そして全てが美しいし、かっこよい。歴代の首相が書いた本は何冊か読んだが、この本はレベルが断然高い。知的である。
「晴耕雨読」とよく言われるが、それを実践している人は少ない。細川さんはその一人ではないかと思う。私は現在54歳。定年後の生活はどうしようか、とそろそろ考えているので、この本は非常に参考になった。定年後の生活を書いた本は沢山あるが、この本が定年後の生活の理想に近いのではないかと思った。初め図書館で借りたのだが、手元に置いておきたいと思って古本を購入したら、送られてきた本は細川さん自身のサインがしてあった。ラッキーであった。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
私が今、一番羨ましいのは、細川護熙(もりひろ)である。彼が名門の出だから、あるいは県知事、首相まで上り詰めたから羨ましいのではない。60歳を期して、政界からすっぱりと足を洗い、郊外に閑居し、晴耕雨読の生活を送っているから羨ましいのだ。

『不東庵日常』(細川護熙著、小学館)には、湯河原の私邸・不東庵での著者の晴耕雨読と作陶の日々が淡々と描かれている。彼は60歳での隠棲を前々から考えていたと言うが、これほどきっぱりと実行できる者は稀である。先ず、この決断力と実行力が羨ましい。西行や良寛の生き方や歌に長く惹かれてきたこと、鴨長明や吉田兼好の随筆を読んで共感を深めてきたことに影響されていると述べている。

閑居の舞台は、母方の祖母(近衛文麿の妻・千代子)が遺してくれた神奈川県・湯河原の500坪の土地と30坪の平屋建ての木造家屋である。ここに居を移し、僅かな身の回りの品と気に入った本を運び込んだ。敷地の一角に小さな畑を作った。こうして文字どおり晴耕雨読の生活を始めたのである。晴耕雨読以外では、花を生けたり、友人と一服の茶を喫する席を持つ。その後、作陶が加わったため、工房と窯を備えた。私たち庶民から見ると、とても閑居とは思えないが、大きな建物にばかり暮らしてきた本人にとっては閑居なのだろう。

母屋の前の芝生の庭には数個の自然石が点在するだけで、灯籠も何もなく、周囲を自然木が囲んでいる。居間の縁先には祖母の自慢であった雲南黄梅(迎春花)の蔓棚がある。圧巻は、樹齢170〜180年といわれる枝垂桜で、季節になると知友が集まって花見の宴が催される。そのほか山桜が数本、藪椿、侘助、紅白の梅、木犀、ヤマボウシ、ヒメコブシなどが植わっている。家の周辺には甘夏、金柑、柿、無花果、栗、サクランボなどがあり、タラノメ、ムカゴ、蕗などが自生している。さらに、朝となく夕となく、鳥が囀り、家のすぐ近くを流れる藤木川の水音が聞こえてくるというのだ。海と山に近く、海風、山風が心地よい。その時の気分に任せて、耕し、書を繙き、轆轤を回し、時に筆を執る。何と魅力的な環境、生活だろう。羨ましい限りである。

裏山や庭先にシジュウカラ、ジョウビタキ、シロハラ、キジバト、セグロセキレイ、ウグイス、メジロ、ホウジロなどの野鳥がたくさんやってくるとは、私のようなバード・ウォッチャーには本当に羨ましい。

焼き物(陶器)の作業場は工房と窯場との二棟から成っていて、短い渡り廊下が両者を繋いでいる。工房は近くの温泉から引いた湯を利用して床下暖房がしてあるので、ほんわかとしたぬくもりが居心地よく、一日のほとんどの時間をここで過ごす。さらに、著者は一風変わった茶室を建ててしまうが、あまりに奇抜過ぎて、私の好みには合わない。

私には焼き物を作る趣味はないが、焼き物を見るのは楽しい。高価なものでなくとも、自分が気に入った茶碗で茶(抹茶に限らず、煎茶、焙じ茶、玄米茶であろうと)を飲むと癒やされる。

著者が、形式ばった茶道を嫌い、簡素で自由な茶が好きと言うのには共感できる。花を生ける場合、花に限らず、枯れ枝でも蔓草でも、庭の片隅や散歩の道すがら目に留まったものを素材にすることが多い。それも華道に囚われず専ら「投げ入れ」という点にも共感を覚える。

知れば知るほど、羨ましくなる。
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