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不愉快な本の続編
 
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不愉快な本の続編 [単行本]

絲山 秋子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

女と暮らす東京を逃げ出した乾。新潟で人を好きになり、富山のジャコメッティと邂逅し、そして故郷・呉から見上げる、永遠の太陽―。不愉快な本を握りしめ彷徨する「異邦人」を描き、文学の極点へ挑む最新小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

絲山 秋子
1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。2003年「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞、2004年「袋小路の男」で川端康成文学賞、2005年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2006年「沖で待つ」で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 147ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/09)
  • ISBN-10: 4104669059
  • ISBN-13: 978-4104669059
  • 発売日: 2011/09
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.2 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 107,211位 (本のベストセラーを見る)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 朝犬
元ヒモにして元金貸し、そして元農業経済学専攻でパリ大学留学、元放火犯、性的アブノーマル(パートナーに対してだけみたいだけど)、意味や理由が大嫌い、布フェチ、美術館が好き、住所不定、家族とは音信不通、その日暮らしのように地方都市を転々としている、、、。そんなうさんくさいクズ男が口から出まかせに語ったような小説です。

それが小気味いいテンポで、どきっとするような人間への洞察、そっけなくも的確(と思える)情景描写が適当に散りばめられ、早く読むのがもったいないのにぽんぽん読んでしまう。あっという間の流れ星のよう。

おもしろかった。十代のころにこの小説に出会っていたら文句なく人生の一冊になっていたでしょうね。こんなクズみたいな生き方がしたいって。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
文豪! 2011/11/14
By kokodokodoko! トップ1000レビュアー
あの(傍点つき)「愛なんかいらねー(ニート収録)」で強烈な印象を残した乾さんの話です。損なわれていくもの,どうしようもない自分を余すところ無く書ききったこの本は,現代のファンタジーを手放せずに生きる人たちにとても痛切な物語です。
そして結末,この本は著者からの「映像化できるものならしてみやがれ」のにやにやが凝縮しています。まっこと,小説でしかありえない小説でした。
センチメントやまともな感情を拝して突き進む独白は,いい意味でどんどんと読者を置き去りにしていくことでしょう。
特筆すべきことは,この小説があの大災害を挟んで執筆されていたということです。これだけ『絆』や『勇気』が尊ばれる世相の中,孤立と肥大を発表した著者に大喝采を送ります。
いつものように幕をあけ,変態の歌を歌いきった著者の強靭さに心を打たれました。
この流されなさは平成の永井荷風と言って過言ではないでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
読ませる! 2011/10/11
By cobo
とある男が田舎である呉から東京に出てきて定職に就かないで生活している場面を本人が振り返りながら語りかける口調での1人称ものです。例によって絲山作品の主人公であるのでノーマルに見えて実は、という部分もあるのですが、その語り口の滑らかさも加わって一気に読めます。

タイトルにある「不愉快な本」が何を指すのか?というのが疑問なんですが、物語の最後に参考文献として載っている中から推察するとやはりカミュの「異邦人」ということになるのでしょう。

その関連がどの程度なのかが分からないのですが、それでも充分楽しめる、読ませるチカラのある文章でした。特に面白かったのは、主人公乾とユミコが交わす会話の中に出てくる差別にかかわる性差の話しから共感の話しに流れていくことのリアルさは非常に上手いと思いましたし、納得してしまいました。

また、ファンタジー(性的なものを含む)に関連する可能性を潰してゆく話しについても頷ける表現でした。この方の直接描写をしないけれどあるキャラクターの会話や考えの中で説明するやり方で、ただ文字にするだけよりも数倍説得力がある、という腑に落ち方は毎回びっくりさせられますし、上手いと思います。

そして結末がいつもの絲山作品よりひとひねりしていると個人的には思います。そのことで、よく言えばいつもの絲山作品の面白さであり、悪く言うとマンネリに感じやすいとも言われる部分を変える要素で個人的には良かったと思ってます。『隠されていたわけでもないけれど後から明かされることの驚きの新鮮さ』はこの方でしか読めないものではないか?と思います。誰しもがびっくりするような大どんでん返しや価値観の崩れのような大きなものではない、しかし『だとすると、ああ!』みたいな小さな驚きが心地よいです。

カミュの「異邦人」が好きな方、絲山作品が好きな方にオススメ致します。
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