古今東西の不思議な味わいの短編小説を届ける不思議の扉シリーズ、4回目の今回は、学校がテーマです。確かに学校を舞台とするSF,ファンタジーは、時をかける少女、なぞの転校生、学校の怪談シリーズ等枚挙に遑がありません。
収録作は、1 インコ先生(湊かなえ) 2 三時間目のまどか(古橋秀之) 3 迷走恋の裏路地(森見登美彦) 4 S理論(有川浩) 5 お召し(小松左京) 6 テロルの創世(平山夢明) 7 ポップ・アート(ジョー・ヒル) 8 安吉の手帳(芥川龍之介)の計8作品で、ライト・ノベルから文豪芥川の作品までバラエティにとんでいます。なお1、3、4の作品は、単行本初収録作品です。
通読して個人的な意見ですが、最大の読み物は、ポップ・アート、次いでテロルの創世、そしてお召しかなと思います。
ポップ・アートは、著者自身がお気に入りの作品らしいですが、基本的には、ユダヤ人差別を基本としたファンタジーで、それに子供の友情を絡ませ、寓話的な味わいになっています。テロルの創世は、自分達の知っている世界以外の世界を知った者がそこへ旅立つという小説、映画では御馴染みのテーマを基本としてかかれています。お召しは、小松さんの初期の作品、冒頭からネタが明かされていますが、一気に読まされますが、最後のツイストがきいています。三時間目のまどか、一種のタイム・パラドックス物ですが、結末が爽やかな印象を残します。そして、インコ先生、恋人を失った女学生の物語ですが、最後のツイストが鮮やかに決まっています。
軟から硬、邦人作家、外人作家と様々な作品が収録されていますが、何れも面白い。大森さんのアンソロジストとしての力量、才気を感じさせられます。是非ともご一読を!!