パブリック・ドメインということで安く買ったのですが、内容はまったくの別物でした。
映像や音楽はオリジナルのものでしょうが、日本語吹き替え(脚本も含め)は公式のものと全く異なるのです。
専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、おそらく翻訳と吹き替えに関する国内の著作権はまだ切れていないのでしょう。声優には似た声の人を起用しているようですが、そのレヴェルはやはり雲泥の差といわざるを得ません。また、脚本の内容もあまり気に入りませんでした。全体的に――良くも悪くも――どこか“今風”なのです。あらゆる点で味わいに欠けます。また声に関しては、純粋に子供が楽しむことを想定して作られた映画に、なぜいわゆる“萌えキャラ”のような要素が必要とされるのか? 私としてはどうしても理解しかねます。
しかし、特に気になったのは歌の部分です。この映画にはキャラクターたちがミュージカルのように歌うシーンがいくつかありますが、このDVDでは歌の部分はすべてオリジナル音声となり、日本語字幕が表示されるのみになってしまいます。確かにこのような形態もなくはありません。たとえば『サウンド・オブ・ミュージック』だったらそれでもよいのです。しかし子供が見る、それもアニメーション映画で歌の部分を字幕にしてしまうというのはいかがなものでしょう。くどいようですが、公式のものはちゃんと歌の部分まで日本語で吹き替えがなされているのです。こういう点にこそ、スタッフの方々の熱意も感じ取れるわけです。
そういうわけで、公式の吹き替えを知っているものとしてはやはりそちらをオススメしなくてはならないようです。ただ、少なくとも映画の翻訳や吹き替えが作品自体にとっていかに重要であるか、ということを知る絶好の機会にはなりましたがね。とりあえず安価なので、吹き替えを聴きくらべしてみるのもまた一興かと。