2008年5月15日リリース。量子コンピュータや量子暗号を調べていて、『現段階』の量子について詳しく書かれた本がホントに少ないことに気がついた。それだけ特殊な分野でもあり、進歩自体が速いということもあるのだろう。その点、この特集号は『現段階』の量子について知るということについて最もすばらしい本だと思える。
所謂フツーのコンピュータがスペックを徐々に上げる、という成長をしてきたのに対して、量子コンピュータはそういったものを一気に超越してしまう。つまり、非常に大きな素数2つを素因数分解するというプロセスでできているほとんどの暗号は時間という壁に守られてきた。ところが量子はこの壁を一挙に突き破ってしまう。天才科学者エヴェレットによって20世紀半ばに唱えた『多世界解釈』。それにインスピレーションを得た天才科学者ドイチュが唱えたのが『量子コンピュータ』だ。知れば知るほど面白い。
暗号の世界で有名な『アリスとボブ』もこの量子の世界で一気に飛躍する。究極の暗号、量子暗号だ。それ以外にも、ボース・アインシュタイン凝縮、光の凍結、量子消しゴム・・・と新しい世界が満載である。凄い時代を生きてるんだなぁ、と思ってしまう。