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不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)
 
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不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書) [単行本]

釈 徹宗
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

 出家、改宗、棄教----。はたしてその男、宗教の敵か、味方か?
 
 禅僧から改宗、キリシタン全盛の時代にイエズス会の理論的主柱として活躍するも、晩年に棄教。世界に先駆けて東西の宗教を知性で解体した男は、宗教の敵か、味方か? その宗教性と現代スピリチュアリティとの共通点とは? はたしてハビアンは日本思想史上の重要人物か----。その謎多き生涯と思想から、日本人の宗教心の原型を探る。

内容(「BOOK」データベースより)

禅僧から改宗、キリシタン全盛の時代にイエズス会の理論的主柱として活躍するも、晩年に棄教。世界に先駆けて東西の宗教を知性で解体した男は、宗教の敵か、味方か?その宗教性と現代スピリチュアリティとの共通点とは?はたしてハビアンは日本思想史上の重要人物か―。謎多き生涯と思想から、日本人の宗教心の原型を探る。現役僧侶による画期的論考。

登録情報

  • 単行本: 254ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/01)
  • ISBN-10: 4106036282
  • ISBN-13: 978-4106036286
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 19.2 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
禅僧→キリシタン→棄教→「野人」という転変を果した近世の傑物について、人気の真宗僧侶×宗教思想家が独自の解読を行った作品。仏教の性向である徹底相対化の理智を体得しつつ、しかしキリスト教がもたらした「絶対」の「神」と「救済」の信仰に魅了されたハビアンの見た世界とはいかなるものだったか、これを主に彼のテクストによりそいつつ明らかにしていく。
キリシタン時代に護教論として執筆された『妙貞問答』と、転じてキリスト教批判のために発表された『破堤宇子』。この両者を総合して、神・仏・儒・基の比較宗教学を史上初めて成し遂げた画期的な書として位置づける著者のオリジナルな理解には、なるほどと納得させられた。この宗教遍歴人の知と教養の魅力は、本書において存分に論じられていると思う。
ただ、ハビアンの宗教性を、現代の「スピリチュアリティ」ムーブメントと関連させて解説する筆致は少し頼りなく、これは別になくても構わないだろうと感じた。現代宗教への著者の強い関心はわかるが、ハビアンの見た世界を内側から理解するという本書の目論見を達成するためには、むしろ彼が生きた当時の文脈にこだわることが肝心だったのではないか。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「神、あるいは超越者は存在するのか」という疑問に、生涯をかけて取り組んだ人物が戦国から江戸の時代に生きていたことに驚かされます。その人物の思想遍歴について、仏教研究者が真摯に追究した成果に感服しました。
不干斎ハビアンは、理性の愛好者であり、理性を超えて信じるということはついぞできなかったのでは、と感じました。つまるところ宗教を信じられない宗教者という矛盾した生き方だったのではないでしょうか。
現代日本の多くの人は、人生、生活の様々な場面で宗教に関わりながらも、神を絶対視していません。一見、穏当な態度のようにも思えますが、逆に言えば絶対的な倫理観が欠落しているという見方もできます。それがハビアン同様、日本人の思想の柔軟さであり、逆に言えば弱さでもあると感じました。
日本人の宗教感を考える上で、必読の書だと考えます。

※ハビアンは「スピリチュアル」というよりも、「宗教オタク」という感もあります。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 黒潮丸 VINE™ メンバー
形式:単行本
不干斉(ふかんさい)ハビアンという人物がいた。
日本人である。1565年頃生まれ、1621年に死んだ。
戦国末期から織豊時代、江戸の初期を生きた宗教者である。

禅僧であったが、キリシタン(イエズス会)に改宗、日本人キリシタンの理論的支柱として活躍した。
そして仏教、儒教、神道、道教とキリスト教を比較して論じた「妙貞問答」を著した。
例えば仏教では当時の仏教諸派を一つ一つ取り上げて論ずる。
法相宗。三輪宗。華厳宗。天台宗。日蓮宗。真言宗。禅宗。浄土宗。浄土真宗。
浄土宗について云えば、依拠する経典である「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」を解説してキリスト教に劣るところを指摘する。
著者の釈徹宗は、<ハビアンはきちんと各宗派が依拠する経典類に当たっている。誠実な態度である。>と書く。

神道、儒教、道教に対しても同様である。
特に神道に関して辛辣な小気味のいい解釈だ。この時代に、よくぞここまで見切ったものだ。明治以後の神道騒動はいったい何だったのか。

当時のキリシタンを代表する論客として、並み居る宣教師をさしおいてハビアンが他宗派との宗論を行い、大きな儀式での説教を行った。
その名前は各宣教師の本国にも伝えられた。
このハビアンが1608年突然イエズス会を脱会し、棄教?し、キリスト教批判の書「破提宇子(はだいうす)」(1621)を著す。
キリスト教体系における最も説明の困難な三位一体説を衝く。キリストは人間ではないか。
またアダムの原罪を「切って継ぎ番匠」と評する。
フォイエルバッハが衝撃的な言説「キリスト教の本質」(1841)を発表する220年以上前にハビアンは同じ結論を提示していた。
当時のキリスト教団はこの書を「地獄のペスト」と呼んだ。

私なんぞ聞いたこともなかったハビアンは、けっして埋もれた人物ではなかった。
林羅山と論争している。棄教後、徳川秀忠と面談(!)している。諸外国の文献に名を留める。
しかし近年埋もれていたともいえるが、「妙貞問答」(中・下)が大正6年(1917)になって神宮文庫から発見され、1972年に吉田家旧蔵より上巻が発見されて様相が変わった。
私の知る名前でいえば、新村出、姉崎正治、三枝博音、井手勝美、芥川龍之介、山折哲雄、山本七平、三浦朱門、遠藤周作らがハビアンを論じているという。

400年昔、キリスト教、仏教、儒教をこれほど分析し、比較して論じた思想家は世界のどこにもいなかった。なんとなく嬉しくなる。
人生に知らないことの種は尽きないが、私は釈徹宗のこの書を読んで興奮状態にある。

 
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