初期の名作短編の中から、ホラー色の強いものを中心に集めた作品集です。JSコミックスから出ている「不安の立像」「失楽園」「夢見る機械」の3冊はどれも初期の短編代表作を網羅した素晴らしい内容ですが、これはいわば「恐怖篇」。
表題作「不安の立像」は、我々の意識の奥底に潜む暗闇を描いた、ため息の出るような傑作です。自分は先生の短編の中で一、二を争うほど好きな作品です。
「子供の遊び」は、父親が子供が物置で何やら育ててるのに気付いて調べてみると、そこには不気味に蠢く肉塊が…!?という不穏な空気の漂う作品。「子供と大人とは全く別の種なのではないか?」というテーマを扱っている。永井均氏は著書「マンガは哲学する」で、「すごいなあ。この作者、どうしてこんな真理を知っているんだろう〜後略」などと脱帽されてました。
「子供の王国」は中編です。かつて単行本の表題作にもなっていた、名の通った作品。背筋が薄ら寒くなるようなリアリティーある近未来社会派ホラーで、エンターテイメント性も高い名作です。オチは極めて辛辣。「袋の中」「真夜中のプシケー」も怖い作品。
「ユニコーン狩り」は、とてもメルヘンしてるファンタジー。「会社の幽霊」は、幻想味/ホラー味もたっぷりの社会風刺ものの佳作です。
「子供の遊び」「復讐クラブ」は自選作品集「汝、神になれ、鬼になれ」に、「海の中」は同「彼方より」に選出されています。
「不安の立像」
「子供の遊び」
「復讐クラブ」
「海の中」
「ユニコーン狩り」
「真夜中のプシケー」
「袋の中」
「会社の幽霊」
「子供の王国」