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不安と欣求「中国浄土」―仏教の思想〈8〉 (角川文庫ソフィア)
 
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不安と欣求「中国浄土」―仏教の思想〈8〉 (角川文庫ソフィア) [文庫]

塚本 善隆 , 梅原 猛
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

法然・親鸞らに代表される日本の浄土思想は、中国浄土教を源としている。そのユートピア思想は、どのように生まれたのか? 浄土思想の持つ深遠な人間存在への凝視と豊かな想像力について考察する。

内容(「BOOK」データベースより)

浄土教思想は、生と死の不安・絶望の中から、ひたすら極楽浄土を欣求する。法然・親鸞・一遍に代表される日本の浄土思想は、中国浄土教を源とする。そのユートピア思想は、中国で、どのように生まれたのか。日本人に最も深い影響を与えた浄土思想の発展をあとづけながら、浄土思想のもつ深遠な人間存在への凝視と豊かな想像力について考察する。

登録情報

  • 文庫: 371ページ
  • 出版社: 角川書店 (1997/06)
  • ISBN-10: 4041985080
  • ISBN-13: 978-4041985083
  • 発売日: 1997/06
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 
 日本浄土教は中国浄土教の非常に強い影響のもとに成立したので中国浄土教の祖師たちの人生や思想は日本仏教に関心を持つ者にも気になる存在である

 本書はそのニーズを安価に、かつコンパクトに満たしてくれる貴重な本である。

 第一部「浄土教の誕生と大成」(塚本善隆)では釈尊から説き起こし、インドにおける浄土教の成立、中国への伝搬と受容、慧遠、曇鸞、道綽、善導と説きおこしてゆく。少し残念なのは、祖師たちの人間像、思想のポイントがすっきりと浮かび上がってこないことである。

 またインドに紙数を割きすぎて、善導以降の中国浄土教が描かれていないことも残念である。善導と法然の夢の話は非常に印象的であった。

 第二部の対談ではキリスト教をはじめとする西方の宗教が浄土教の発生に影響を与えた可能性に関する議論が興味深い。

 第三部では梅原氏が羅什にスポットを当てて論考している。面白いことは面白いのだが、憶測に憶測を重ねているので信用はできない。

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形式:文庫
ティク・ナット・ハン師は、カリフォルニアのリトリート(短期伝法修行会)に集まった約60人の芸術家に対して、「米国の仏教は、米国人たちによって創造されるべきである」ことを強調し、芸術家たちに、未来の仏教のヴィジョンを描くことを依頼したそうだ。

北伝仏教は、当にそれを各地で実現しながら伝搬している。法顕の『仏国記』と玄奘の『大唐西域記』によれば、西域の仏教は部派仏教(小乗仏教)が優勢であった。特に天山山脈の南の西域北道沿いのオアシス都市は部派仏教のみであった。『史記』の大宛伝によれば、張騫がホータンを訪れたB.C.2世紀にはすでにかなり繁栄していたという。そうであれば、ホータンはB.C.3世紀のマウリア朝のアショーカ王の頃にはすでに建国されていたと思われる。

『アーリア人』(青木健著)によれば、「仏教王国ホータンは、タリム盆地のタクラマカン砂漠南に位置し、シルクロードの一つ西域南道沿い(崑崙山脈の北)にあった。現在では中華人民共和国新疆ウイグル自治区にあたる。この王国に、B.C.1世紀には上座部仏教が、A.D.4世紀初頭には大乗仏教が、に到達して繁栄していた」という。しかも、「イラン系アーリア人固有の信仰であるミスラ神(千の耳を有する神)に由来する毘沙門天(多聞天ともいう)信仰がホータンでは盛況であった」という。さらに、「A.D.1〜3世紀には、インド亜大陸西部から出た北伝仏教がイラン高原東部(大月氏によるクシャーナ王朝)の拠点ティルミズで隆盛となり、サンスクリット文献の著述がなされていた。」という。

イラン高原および中央アジアに定住するイラン系アーリア文化とインド仏教文化の相互作用から浄土仏教が創造され、中国・日本に伝搬するのはティク・ナット・ハンが指摘するように望ましいことであるが、浄土仏教に釈尊の教法がどのように関わっているかを忘れてはならない。
本書対談で、塚本氏は「念仏とは、インド思想として見れば、唱えることじゃないでしょう。やっぱり心を集中する禅定の一つの方法ですし、心の統一方法だったと思います。例えば、仏をいつも見て観想して、目を塞いでも仏が出てくるということが念仏だという風にインド的思想としては考えられ、また中国でも初めの方は忠実にそう解釈していたでしょう。しかし、善導では観経を中心にしますから、観仏三昧と念仏三昧と分けて、両方が観経の中心思想だという風に取ります。」と述べる。

この言葉に刺激されて、釈尊の八正道と浄土仏教の修行体系の関係が見えて来た。
(1) 口密(念仏三昧 ⇒ 真言):正語+正念+正精進 ・・・ 観経
(2) 意密(観仏三昧 ⇒ 観想):正定+正精進 ・・・ 観経
(3) 身密(下座の行 ⇒ 印契):正業+正命+正精進
なお、口密の原理はヴェーダ、ウパニシャッドの記憶と念想(ウパース)に由来する。
これが理解できれば、浄土仏教は釈尊仏教と強く結びつくことが分かる。
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