もし、リクルート事件がなかったら・・江副さんは名経営者の賞賛を浴びていた方だと思います。その江副さんが少し前の不動産市場をどのように見ていたかを知ることができるのがこの本の最大の長所だと思います。事業家のものの見方が学べるからです。このタイトルは余り内容を表していないように思えます。不動産市場は、需給バランスで価格が決まりますが、東京の供給はさらに上昇する、ということを見事な情報の捕まえ方で要領よく明らかにしていただけます。江副さんにプレゼンを受けているような感じです。東京の供給が高まれば、周辺需要が東京に取り込まれてゆきます。東京のマンハッタン化で供給を増やすことで全国的に不動産価格の低下が招かれるというものです。リーマンショックという予想外のことが起きましたが、それ以前に、REITブームでの不動産市場は過熱状態で、借入の大きいところは厳しいと言うことを予測しておられます。リーマンショックで一気にそれはやってきましたが。まだ、体力が回復できていないファンドも多いでしょうから、金利は上げられない状態と言うのが逆に良くわかります。金利上昇は弱ったファンドの息の根を止めますね。同じ不動産事業でも、三菱地所や三井不動産と新興不動産とはバランスシートが全く違う、ということを言っておられるのも興味深い指摘です。都市計画を建てる際にも参考になるのではないかと思います。さすが、と思わせられた一冊です。