本書も、ベストセラー『下流社会』への回答の一つとして書かれた本のようです。「下流」の人には「自分の頭で考えない。だまされる」という特徴があるのかな? 自分の頭で考えられる人間になろうよ、一緒に勉強しようよ、というのが著者のスタンスのようです。
著者は自分の子供を見つめながら、「お勉強って何だろう」とじーっくり考えます。自分がしてきたこと(古典や小説の乱読)が反省を交えて語られ、微笑を誘う。かと思えば、「ゆとり教育」の性教育が「セックスと避妊」に偏っていることに怒りを露わにする。理科を減らしといてセックスしか教えないなんて、何のための勉強なんだ!という怒り。こういうところは私も強く共感しました。
それにしても、面白い本です。著者の姿勢や文体は基本的には謙虚なのですが、時々エッと驚くことを書く。「そういえば教育勅語に『〜』という文言があった」なんてサラッと書いたり。あんた何時代の人やねん。著者の大きな仕事の一つには漱石研究もありますから、思わず知らず教養がこぼれたりしてるのかな?
我が子の未来、私たちの社会の将来への真剣な危機意識がベースにあるのですが、お勉強するってやっぱり楽しい。豊かに生きるというのはこういうことなのかな、と思わせるものがありました。大満足。