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さて、肝心の内容ですが、短編集で、タイトル通り不倫や夫婦にまつわる話が収められています(ちなみに書名の「不倫と南米」そのものと同名の作品はありません)。
河合隼雄氏との対談(「なるほどの対談」)でばななさんが語っているところによると、南米文学のようなダイレクトな書名を付けたかったのだそうで、それでこのような書名にしたんだそうです。
不倫と言えどもばななさんですからドロドロはしておらず、話は淡々としていて、読み口はあっさりしてます。
でもたまにふとした箇所ではっとしたり、胸が痛くなるような、けれども静かな哀しさを覚えます。しかし不思議にからっとした明るさもあり・・・。
さらっと読めますが、何度も読み返してじっくり味わえる一冊だと思います。
なお、巻末には取材旅行の日程一覧が付いています。
南米は異国情緒あふれる町であり出てくる地名、場所の雰囲気も日常とはまさに異なる空間でしかし、今、現在も存在している空間だ。主人公はそれぞれ、外から見たら小さいかまたはわりと重大かもしれない人生の悩み、ひっかかるものを感じている。夫に恋人がいたり、または結婚していても好きな人がいたり、または夫との生活に安らぎを感じている人がいたりする。主人公の女性たちは何らかのつながりで南米に行く。旅行、仕事など。
小説には南米のすばらしい自然、遺跡、町並み、人々の生活などの風景の写真、挿絵もあり、短編のお話それぞれにおける南米、アルゼンチンなど、主人公たちの心の動きに影響を与えている空気を想像するのも楽しい。
今、ある状態をあるがままに受け入れ、さびしかったり楽しかったりする日常の営みを、南の遠いそれでも確かに存在する異国の実感に触れることでさらにゆったりとした心でとらえていく気持ちにさせてくれました。
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