元ロケットエンジン研究者が失敗の責任を取って研究所をやめた後、佃製作所という親の町工場を継いだところから始まるビジネス小説です。
この企業がもつエンジン部品の特許を巡って大手企業がおりなすさまざまな策略や圧力のなか、社長と社員が力を合わせて乗り切ってゆく姿が本当にリアルに描かれていて、時間がたつのを忘れさせてくれるほどぐいぐい引き込まます。私にとって、久しぶりに読みごたえのある小説で、実際私は通勤途中で読んでいて2駅乗りすごしてしまいました。
町工場の佃製作所が大手企業から降りかかる様々な難局に立ち向かい、ギリギリのところで乗り切ってゆく姿はエンターテーメント性も抜群ですし、主人公がつねに突きつけられる難局の中で「会社とは?」「仕事とは?」「生きるとは?」を問いながら選択をした結果、反対者、傍観者、協力者との関係性や態度が徐々に変化てゆく様子は感動ものです。
本書のタイトルを見たとき、実在する「植松電機」という会社のことが脳裏によぎり手にした本でしたが、植松氏の講演にも似たような高揚を感じる読了感で、大正解でした。また、「ハゲタカ」の真山氏に続き、新たに追いかけたい著者が増えてうれしい限りです。