いつも通りに酷い内容だ。
これが、本書を読んで感じた何よりもの感想である。
現在の女性は、その女性らしさを失い、オヤジ化している、というのが著者の主張であるが、「信頼できない前提」「結論ありきのデータ解釈」「誘導のため以外に意味のないインタビュー」と「ダメな調査」の見本のような内容に終始している。
そもそも、著者の言う「女性らしさ」とは何だろう?
著者は26頁で、総務省の家計調査で、02年と10年を比較し、洋服代が減少していることもって「ファッションに興味をなくした」という。本当にそうなのだろうか?
ファッションへの意識というのは、値段の多寡で決まるのだろうか? 私は、そうとは思えない。ブランドではなく、実利を意識して、買うものを決める方が、意識が高いのという見方ができるのではあるまいか?
また、「ゆるい」服装を好む、ということについて著者は「かまやつ女」と呼び、「異性の目を意識しなくなった」=「オヤジ化」と呼ぶのだが、これは本当だろうか? 私は、著者と同じく男性だが、バブル時代のボディコンが女性らしいとは全く思えない。著者のスケベ親父的発想を全男性の意見に摩り替えられても困る。
なお、総務省のデータでは、2年ごとにデータが出ているが、04年、08年は、02年の9万円台より遥かに高い11万円前後の洋服代を女性が使っていると出ている。つまり、著者のいうように、「最近になって洋服代が減った」もかなり胡散くさいのである。
このように、若い女性の動向を知る、ということも一切できない内容と成っている。
ただ、この上で言うのであれば、「いつも通りに酷い」というのは、それ以上でもそれ以下でもない、ということ。いつもどおり、学術的な価値は皆無である。
その一方で、過去の著書を読んでいる身としては、もっと予想以上のでたらめっぷりを期待するのであるが、著者のでたらめっぷりは予想の範囲内なのである。そのため、トンデモ本としての刺激もない。
ただ単に、予想の範囲内ででたらめなつまらない書籍、という評価をさせていただく。