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31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
強烈なアイロニー,
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レビュー対象商品: 下流の宴 (単行本)
人間同士、比べるっていうことは、なかなか辞められないもんです。私は、地方に住んでいますので、この小説に出てくるような華やかなヒルズ族やシロガネーゼには縁遠いですが、 やはり、田舎には田舎の、「仲間分け」があります。 やれあそこの家の子は○○大学に行った、あの子は○○に勤めている。あの人はすごい額の年金をもらっている。 狭い世界で、比べあって自分の地位や幸せを確認する。 自分の現状のステータスや仕事に満足しておらず、その不満や妬みを子供への期待に変えて、 子供の自由の芽をつみとってしまう大人たちは、どこにでも存在します。 ある人に勝てば、それが当たり前になって、また上を意識する。上には上があって、「比べる」という行為には、 天井がありません。奮起のきっかけになりこそすれ、比べ続ける人生なんて、とてもくだらない、苦しいことだと思います。 この小説には、比べられ、比べてきた、さまざまなステータスの人が面白おかしく、そしてリアルに書かれています。 等身大の格差社会が、本当に具体的に、細かく取材され書かれていると思います。 ただ、それだけではありません。 ちゃんと、自分のためにする、自分を諦めない、努力の大切さを書いています。人に勝ちたいというレベルよりはるかに高次の、 自分との戦いに勝つことが、人生の勝者であると、物語全体ひっくるめて、強烈なアイロニーを込めて語っている。 作者は、もちろん判断を読者にゆだねています。人の数だけ解釈があっていいと思いますが、 私は比べあっている人たちが、すべて狭い箱庭の中の住人の寸劇のように見えました。 自分との戦いに勝った人だけが、そんな寸劇からは抜け出せるのです。 格差なんかに惑わされない、本当の幸せや強さは、比べて得る相対的幸福より、自分だけで心から感じる絶対的幸福だと思います。 いろいろと考えさせられた、現代をうまく書いたとても面白い小説でした。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
翔,
By あ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 下流の宴 (単行本)
私は向上していきたい人間ですが、変化や成長ってなんだろう。かわらないことは停滞ではなくて、それもひとつだと再認識しました。翔は違う母を持てば、好奇心も湧いたかもしれないのに、あまりにも母がひとつの価値観しか認めてなくて…そりゃああの母の元で、少しでも心が折れてしまったら、あのように自分を守っていかなければならないでしょう。 人にはみんなに同じ数だけ長所があるのだなと気づきました。
35 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
真理子流に時代、世間を読んでいる,
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レビュー対象商品: 下流の宴 (単行本)
バブル時代のエピソード、学歴社会の現状、当時OLだった位の年齢の女性が今だに根強く持つ競争心、 いまどきの草食系男子のさらりとした下流意識、などなど さすが真理子流観察眼でよく描かれているなあ〜 地方出身の上昇志向・好奇心いっぱいのミーハーな才女(個人的印象ですが)だからこそ描ける面白さ!? オチも、怖っというか、笑えるというか。 沖縄の人間味あふれる母に育てられたその娘タマちゃんは、恋愛も一途、そしてやるときゃやる!!の根性で、もちろん応援したくなる。 対比して描かれている、学歴至上主義の母に育てられた見栄っ張りな娘、可奈の必死の努力の行く末は、落ちたようでいて、意外と父親のいうように大丈夫で、ここから苦労がきっと彼女の糧になると期待できるようにもおもえる。 こわいのは、さいごまで危機を危機と感じる力もなく、努力ってナニ?の翔だな・・・ 新聞連載の始まった時、読み始めたものの購読新聞が変わって、読めなくなり、行く末の気になっていた当小話がやっと読めた・・! 全国紙の朝刊連載だからか、ターゲットが幅広く読みやすいが、所々(特に後半)プツッと切れたような展開がみられるかな。 総じて面白く、考えさせられた。
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