人間社会の最近の風潮をたけしらしい辛辣な口ぶりで切っていく。基本は「粋」「上品」「鯔背」「伊達」と、反対の「無粋」「下品」「野暮」。前者がどんどん減っており嘆かわしいというもの。キーワードの品、夢、粋、作法、芸の5章についてたけし節連発で、なかなかいいことが書かれており、肯くことは多い。スポーツでの「礼に始まり礼に終わる」は柔道・剣道だけではないはず。スポーツ中継でまずこれが出来ていない人間が多い。相撲、ボクシング、確かに・・。食べ物屋でもスーパーでも文化度の低い精神的田舎者が増えてしまった。安易に何でも「夢」にしてしまう。「努力目標」と言い換えるべし。いい年のとり方。礼儀知らずや挨拶できない若者は方法としての作法を知らない、教わっていないから。恥の文化が消えてしまった・・・等々。これ以外にも様々なことがたけし節で続いていく。たけしの考え方のベースは、「たけしくん、ハイ!」や「菊次郎の夏」でお馴染の足立区島根町だ。足立区は東京の北はずれ、川向こうだ。区立梅島第一小学校、区立第四中学校。その時代の隣近所、商店街がルーツだ。それに浅草のストリップ劇場時代の芸人生活がたけしを支えているのだろう。本書はそう意味で「今」と「昔」の生き方の差を教えられることが多い。
私としては「恥」の面で周囲に感ずることは多い。まず電車の乗り降りを知らない老若男女が如何に多くなったか。電車から降りる人を待てない。ドアの内も外も開けて立てない。脇から入り整列乗車の出来ない男。通勤時始発電車のさもしい椅子取り合戦。電車で飲み食いの高校生。電車で化粧する女。未だに臭いポマードべったりの老人男性。子供を叱れない母親。犬同然にその都度はっきり面前で叱らねば躾がわからない老若男女。特に電車内(人前の)化粧は欧米では昔から「三流の娼婦」と言われてきたことを是非教えてあげたいものだ。