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上海 (岩波文庫)
 
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上海 (岩波文庫) [文庫]

横光 利一
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

上海を舞台にした現代都市小説の先駆的名作1925年上海で起った中国の反日民族運動を背景に,そこに住み,浮遊し彷徨う一人の日本人の苦悩を描く.日米欧の植民都市上海の街と人々の姿を鮮烈に伝える. --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

一九二五年五・三〇事件とは?日系紡績工場ストライキで出会う在留邦人と中国共産党の職女芳秋蘭。金融界から風俗業まで轟く排日排英の足音、露地に軋む亡命ロシア人や湯女の嘆き。国際都市を新感覚派の手法で多声的に描く問題作。

登録情報

  • 文庫: 352ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (2008/2/15)
  • ISBN-10: 4003107527
  • ISBN-13: 978-4003107522
  • 発売日: 2008/2/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By アジアの息吹 トップ1000レビュアー
形式:文庫
新感覚派横光利一代表作のひとつである。
こう言ってしまうと怒られるかもしれないが、
この小説からはとてもポップな印象を抱いた。

まず挙げられるのが、とてもスピーディーなその展開だ。
短く切られたシーンとシーンがテンポ良く連続し、
一見繋がりのないシーンに潜り込んだ伏線が
ラストに向かってうねるような通奏低音に変化していく。

まるで現代の小劇場のような先進性に驚きを隠せない。
そして主人公「参木」の前に次々と現れる出演者たち。
彼ら彼女らは一人一人ある役割を持ち、参木の前を通過していく。
それはまるで舞台作品のようではないか、と思う。

スナップショットのように切り取られた風景の描写が
これまたクールできらりと光る逸品である。

このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By おー
形式:文庫
横光利一の記念碑的な長編である『上海』。
これまで文庫では『定本横光利一全集』を底本とした講談社文芸文庫で入手できました。
今回の岩波文庫版は、昭和10年に書物展望社から刊行された版を底本にしています。
全集を持っているのでなければ、版違いの物を入手できる絶好の機会です。

小説自体は新感覚派の頂点を見ることができると思います。
横光の作品は景色の描写から入ることも多いのですが、『上海』の冒頭は秀逸です。
映像が立ち上がる、滑らかな文体を楽しめます。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By エパメイノンダス トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
1925年におきた5・30事件当時の上海を舞台にした小説。
ちなみに文庫版としてはもう一つ講談社文芸文庫からも出ている。岩波文庫版と講談社文芸文庫版
の違いは使用した版の違いで、講談社文芸文庫のほうは初版(だから全部で45章ある)で、岩波のほう
は改訂版(全部で44章)。大きな違いは改訂版では、初版にあった第44章が削除されてること。
リアリズムとか植民地支配の矛盾を抉るとか帝国主義イデオロギーの欺瞞を暴くとかなんてーこととは無縁
で、間違いなくルカーチなんかに非難されてしまうような小説。
「現実の現実的打開のかわりに、漠然としたニヒリズムと現実に主観的・知識人的に対立し、一時的な
激情で共産党員を救ったりしながら結局は現実に押し流されていく」というのは、ある種欠点にもなるのだ
ろうけど、「上海の激動する現実のもたらす、雑然とした混乱」を言語表現し「強烈な感覚的な表現を
作り出す」試みの小説だということは評価すべき。叙情性とか感傷的なものがなく乾いた、ポップな感じの
文章で、まちがいなく映画向き。50年代〜60年代、「穴」とか「黒い十人の女」を撮っていた頃の市川崑
監督に撮ってもらいたかった。
解説によると、この後横光利一は路線を変更したため、昭和の文学の芸術的可能性の一つが挫折した
としている。
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