出版社/著者からの内容紹介
2008年4月に3年3ヵ月にわたる中国駐在を終え、書き上げられたのが本書。
「本当は山旅の本を書きたかった」と、はじめにに述べられているが、本書のサブタイトル「登山、日本軍の痕跡、上海及びその周辺の田舎」であり、本格的な登山は、四川省の四姑娘山連峰と、青海省のチーリェンシャンレンロン山脈のガンシェンカ雪峰付近の5000メートル級の山に出掛けた2回のみ。
他は上海周辺の水郷めぐりや、旧日本軍の上陸地点や抗日記念館などを訪ねる「重い」経験、そして上海からはるか離れたチベットや新疆ウイグル自治区や雲南省への旅、そして3年間で見聞きした事実をもとに中国を考察する文章からなっている。
本書を特徴づけているのは、単なる旅行者としてではなく、ビジネスマンとして仕事を通じて現地の人と接した経験が率直に語られていること、本多勝一氏の本などから得た知識をもとに、目を塞ぐことなく日本軍の行動の跡を追われていること、日本人がまだあまり入っていないような5000メートル級の山以外に、上海周辺の100メートルほどの山にも出掛けるほか、水郷の街にもてくてく歩いて出向いておられること、などなどまさに虫の眼で上海という街、中国という国を観ておられることだ。
2005年の反日暴動、2008年の農薬入り餃子事件などを目の当たりにした大谷さんは、本書のあとがきにも書かれているが、中国在住中は、「もう共産党の支配する中国はこりごりだ」と思いながら、「しかしここは冷静に考えなければならない。これから中国がどうなるかは地球全体に関わることである。地球環境問題、化石燃料枯渇問題」「民族間の対立などの問題」に、中国がリーダー的な存在になって貰いたいと言う。本書からは伝わって来るのは、複雑な思いを抱きながらも「特別な存在」となった中国に対して、率直にものを言おうとする大谷さんの姿勢と、歴史に疎い日本人に対する強い危惧の念である。
内容(「BOOK」データベースより)
著者の中国滞在は、2005年1月から2008年4月の3年3ヵ月だったが、最初の年と最後の年に大きな事件が起きた。2005年には反日暴動、2008年には農薬入り餃子事件、50年ぶりの大雪、チベット暴動が起きた。そして私が日本に戻った直後には四川大地震が起きた。2008年は中国にとってオリンピック開催の重要な年だが、オリンピックを前に経済は減速気味で、大きな事件や天災に見舞われて大変なことになってしまったようだ。これから中国はどうなるのか。