内容紹介
昭和11年の夏、前借借金(アドバンス)から逃れようとジャズのクラリネット奏者の波多野四郎は、恋人の正岡まどか(マドンナ)とともに上海に流れてきた。マドンナは横浜でダンスホールを経営する父親をフランスに留学すると欺いてやってきたのだ。迎える四郎のジャズ仲間、バクチ好きのトランペッター・バクマツ、その妻で中国人のリリー、彼女に横恋慕する地元の米人・ラリー、左翼崩れの弘田、軍の白井中尉など植民地上海ならでは人間模様の中で、破天荒なジャズメンたちのバンド生活が始まる。しかし、戦況は悪化、ジャッズは次第に追い詰められ、それぞれの登場人物たちは昭和史の流れの中で自らの運命を受け入れなければならなくなる。1930年代から40年にかけて日本の暗黒時代を逃れようとしたジャズメンたちに託して描いた傑作ミュージカル。
監督について
オンシアター自由劇場を率いて70年代の新しい日本演劇にページを開いた。当時政治的で抽象的な主張が多かったアングラ演劇と一線を画して、サブカルチュア黎明期の雰囲気を音楽劇に託して描いた「もっと泣いてよフラッパー」に続いて、高校時代の旧友だった斉藤憐を作者に迎えて地下小劇場で上演した「上海バンスキング」は爆発的にヒット。後に大劇場でのロングランになるが、この収録はその初期のういういしい小劇場の上演の姿を残している。