NHK衛星放送の番組として放送された対談をまとめたもの。
椎名誠、毛利衛、CWニコル、石城謙吉、小野有五、福留脩文、灰谷健次郎、松永勝彦、石川英輔、秋元肇、近堂祐弘、萱野茂。
帯の文章が良い。
人間は森から歩みだし、川伝いに川下に向かったに違いない。そして流れに流されるように、人は下流へ都市を作った。その流れは今も滔々と流れている。下流は人であふれている。その文上流は過疎である。人があふれれば識者も多く、オピニオンは殆ど下流から発せられる。しかし識者は何世代もそこに住み、既に殆ど上流をしらないから彼らの意見は下流の論理である。・・・下流の論理は否応なく力を持ち、上流までもその論で支配する。これは明からに理不尽である。下流の論理が上流をも支配する。そんなことがあっていいわけがない。
富良野に住み続けている倉本さんが、まさに自然との共生共死を体感しながら生きている事が分かる。「イワナの謎を追う」「森はよみがえる」の石城先生は内山節さんの回帰する時間の話を枕に自然を支配する林業はヨーロッパでは可能であっただろうが、東洋、日本では無理である事をしっかり指摘している。
小野先生はゴルフ場での問題点を農薬の流出があると指摘する。田畑と同じ量の農薬を使っても、ゴルフ場は排水を良くするために砂を入れ、さらに排水パイプ等を導入して水はけをよくするという。本来保水すべき山間部にゴルフ場があるのは農薬の流出と共に治水の面でも問題だと。
既に故人となった萱野さんはアイヌの豊かな生活を自然の利子だけで生活出来たのに現代人は既に元本まで手をつけてしまったと話す。さらに現代林業が除草剤を使った事で川の魚は死に、森の動物も死んだと。
地球温暖化の問題を既にこの当時指摘し、豊かさとは何かを真剣に考えている多くの人がいることが少しの日本の救いなのかもしれない。