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三蔵法師 (中公文庫)
 
 

三蔵法師 (中公文庫) [文庫]

中野 美代子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

三蔵法師玄奘の西天取経の遙かな旅は、こんにち「西遊記」という物語を通して、われわれに親しまれている。史実のなかの苦難に満ちた旅の足跡を、文献と写真資料によって克明にたどるとともに、時代を超えたイメージの総体としての玄奘像を探り、フィクション成立の背景をも解明する。

登録情報

  • 文庫: 280ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1999/06)
  • ISBN-10: 4122034442
  • ISBN-13: 978-4122034440
  • 発売日: 1999/06
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 三蔵法師といっても何人もいるが、著者が取り上げているのはもちろん玄奘である。
 その誕生から死までを追っているのだが、伝記というわけではなく、玄奘がどのような人物で何をしたのかということを探りながら、中国においてどのように玄奘の人物像が作られてきたか、ということを探っている。

 玄奘に関する記録がみな事実とは考えられないが、そう記録されている、ということが重要なのだ。
 文章はわかりやすく、当然のことながら、『西遊記』との関連についても触れていて、『西遊記』が仏教の論理だけでなく道教の論理を取り入れていることを再認識した。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 初めて三蔵法師つまり玄奘の伝記を読んだ。この唐の僧玄奘の業績はつとに名高いが、西遊記などで日本ではやや人口に膾炙した向きがないでもない。1986年の初出の文庫化。玄奘の実像に迫りながらも著者の想像も交えての柔軟な筆運びは軽やかですいすい読める。玄奘の背丈は、容貌はという文献からの検討も交えつつ、史実からすれば矛盾するような玄奘の時空を越える超越したイメージも肯定する。通俗的な玄奘のイメージを否定せず、それが生きた玄奘の姿を現代にも甦らせる著者の意図でもあるのだろう。
 玄奘のインドへの足跡もある程度丹念に追っているし、現地の取材もあり、当時の中国の歴史やその隣国の状況も言及されている、また帰国後の翻訳事業についても、仏教より道教を優先する唐の皇帝玄宗との確執と駆け引きの末の悲劇も紹介されて、これも興味津々である。

 親しみがありながら、その業績の桁外れの偉大さは、本当に度肝を抜くものだ。玄奘がなけれは日本にも仏教の伝来はなかっただろう。とくに唯識経典の布教がある。インドからの超人的な仏典の取経という偉業の奇跡は仏教の持つ普遍性を証するものといっていいかもしれない。玄奘以前に幾多の仏教徒の命が仏典を求めて苛酷な旅の途上で露と消えたにちがいない。おそらく玄奘もそれを承知の上だった。仏教を学ぶ上に玄奘のこうした途方もない冒険、そして実務的な翻訳という、野心と知性が合体した玄奘という歴史的に稀有な存在に現在、思いを馳せることはけっして無駄事ではないはずである。学ぶことは無尽である。それを玄奘は用意したのだ。われわれはそれを虚心坦懐に受けとめなければならない。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 蛍光
形式:文庫
 私には何とも読みづらい。著者のファン以外は敬して遠ざけるのが良いのではないかと思う。冒頭の「はしがき」からして、随想的に書くつもりなのかと思わせたが、そうでもない。中国その他の遺跡や文献をよく研究しているのは解るのだが、その素材の組み合わせ方や、語り口がどうも違和感があるように私には思えた。著者本人が面白がっているほどには読者は面白いわけではない、というところが問題だ。

 このように何冊か読んでみると、前嶋の『玄奘』がいかに優れた名著であるかが理解できる。

 どうしようもなく退屈なのだが放棄するのもシャクにさわる。頁の端は一箇所も折っていない。誰かの説を引用して、イシク・クル湖には「確かに、魚はいたのだ。龍はいなかった」と書かれていたところが、ネタとして面白かったくらい。

 テレビ東京編の方がまだ面白く楽しかったくらいのものだが、テレ東のやつは、中野のものを抜きにしても価値ある記述があった。他の書でも言及されていることではあるが、玄奘は見目麗しく、声は朗々として清清しく、他者に不快を与えることのない第一印象であったろうこと。またコミュニケーション能力が高いので、西域の商人から情報を得たり安全なルートその他を選ぶことが出来たということを、何度か繰り返している。

 中野の本で優れているのは、写真。高昌故城など興味深い。

 『玄奘三蔵』 (講談社学術文庫) と『玄奘 』(大蔵出版)を注文しているが、どちらも数週間かかる予定。『大唐西域記 1 』 (ワイド版東洋文庫 )を新たに注文してしまった。もう、そんなに集中的に読めないかなー、という感じになってきているのだが。

 インドでナーランダ寺院の遺跡を見ることが出来なかったことが、後から悔やまれる。
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