国内メーカーの水彩色鉛筆としては最も入手しやすく、評価も高い、
いわば代表的な製品。
芯は滑らかで適度な硬さで、紙への定着が非常に良い。
濃淡の調整もしやすく、水で濡らしたときの解け具合も良好で、
水加減や塗り方の加減で思うように薄めたり滲ませたりできる。
この辺の使いやすさは、たとえばアルブレヒトデューラーの上を行く。
アルブレヒトデューラーは顔料の濃度が非常に高く、水を使う前に
普通に塗る段階で、ある程度は計画的に塗りの濃さを調整してやる必要があるが、
こちらは水塗りの段階での融通が結構きく。
その点がお手軽で失敗も少ない。
反面、発色は非常に地味で、アルブレヒトデューラーやカラトアクェレルのような
派手で鮮やかな鮮やかさ、美しさには程遠い。
深みがある色調かとかと言えばそうでもない。
だが、これはこれで落ち着いた良い色合いだと思う。
その辺は作風や好みで選ぶのが良いだろう。
色の組み合わせは、「ユーザーの都合なんか知ったこっちゃない」と常日頃から
言わんばかりの大三菱鉛筆様だから24色セットなんかを買うのは愚の骨頂……と
までは言わないが、24色では重要な色がゴッソリと抜けているのは他の製品と同様。
ほしい色をバラ買いするか、思い切って36色セットにするのが良いように思う。
ただ、メーカーのサイトには紹介されていない60色セットなんてのが存在していて、
この製品がこれから発展していくのか、それとも近々終了してしまうのか、メーカーの
やる気や商品の将来性が全く読めないのが悩むところだ。
単色販売も店頭や通販で購入できるのは36色までで、カタログで取り寄せられるのは
40色まで。
ただし、販売店などでは、什器にも収まらないような4色を、わざわざ取り寄せて
くれるとは思えない。
残りの20色についての単品販売も、メーカーの気分次第といったところか。
こういう不親切さは、やはりどこまでいっても三菱鉛筆の製品で、せっかく非常に
良い製品なのに安心してオススメできない部分だ。
品質や使いやすさに付いては素晴らしいの一言に尽きるので、発色の好みや
入手のしやすさに問題がなければ、選択肢としては良いと思う。
ただ、三菱鉛筆の色鉛筆に共通の問題だが、箱が無駄にデカイのは非常に迷惑だ。
本当に何とかして欲しい。