後にも先にも三沢ほど美しいレスラーは出てこないのではないでしょうか?全盛期のころは容姿も良く、それ以上に空中殺法を含めた攻撃技にも、天才と言われた受け身にも美しさがありました。そしてその美しさを醸し出しているのは三沢の絶対的強さではなく、本書でも書かれているように陰の部分だと思います。それだけ人間的なレスラーであり身近に感じる存在だったのだと思います。少なくとも私の場合にも三沢の存在は身近に感じるものでした。辛い時や苦しい時などに、「三沢ならどう対応するかな?どう発言するかな?」と考え、決して弱気を吐かないだろうなとか、自分に厳しいのだろうなとか、そういった生き様を感じ、自分も頑張ろうと決心した事が何度もあります。きっとプロレスに興味のない人や、三沢の試合を見たことのない人にとっては嘘っぽく馬鹿げていると感じるかもしれませんが、この気持ちは多少プロレスを知っている人には絶対に理解できると思います。プロスポーツの中でも特に興業色の強いプロレス選手の中に、これだけ人を感動させ勇気を与えてくれた人が出たことは奇跡的なことなのかもしれません。そしてその人は人生をかけたプロレスのマットの上で倒れて永眠しました。三沢光晴は最後まで美しくそして陰のある人生を歩んだ人です。