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三島由紀夫 (ちくま日本文学 10)
 
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三島由紀夫 (ちくま日本文学 10) [文庫]

三島 由紀夫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

永遠の若者であろうとした大作家の肖像。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

三島 由紀夫
1925‐1970。本名平岡公威。東京・四谷生まれ。学習院中等科在学中、「三島由紀夫」のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。「仮面の告白」によって文壇の地位を確立。以後、「愛の渇き」「金閣寺」「潮騒」「憂国」など、次々と話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 480ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/2/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480425101
  • ISBN-13: 978-4480425102
  • 発売日: 2008/2/6
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 三島由紀夫に関しては『永すぎた春』を拝読させて頂き、圧倒的な文章力と時々照れ隠しのように挿入されるユーモアに魅了されたものである。

 そして、本書であるが基本的に短編集であるので、面白いのだけれども、これだけでは到底三島の魅力は伝わりきらないと考える。元々、三島は長編の方が味が出ると思う。それは本書の解題で森毅も認めていると考える。

 収録された作品は御幣を恐れず言うのであれば、ピン切りが激しいです。「中世」「家族合わせ」あたりは何とかあらすじはつかめるが、「夜の仕度」は残念ながら話を理解することが出来なかった。ただ、「私の遍歴時代」は面白い。是非、ご覧いただきたい。

 それと、本書を読んでいて直感的に感じた事は思想家としての三島と作家としての三島は切り離して考えた方が良いのではないかと思った。なるほど、経歴的に三島は保守派にありがたがれる存在かも知れないが、注意深く読むと決して保守派に都合のよい事ばかり書いている訳ではないと思う。例えば三島は「日本の敗戦は、妹の死に比べたら全くショックを受ける事でなかった。」という旨の記述をしている。こんな発言を三島以外の人間がすればホシュは激怒するだろう。
 ただ、それはサヨクが坂口安吾の言葉を安直に引用して、安吾の複雑な思考への深い考察が全くない点と同じであるのだけれども。
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By grimona
形式:文庫
本書はちくま日本文学全集全40巻の三島由紀夫の巻である。

収められているのは短編、エッセーなど15作品。

全集というと、代表作をピックアップしてまとめるだけに思いがちだが、代表作の多くが長編小説の三島クラスの作家になると文庫本で全集としてまとめるのは極めて困難だ。

しかし本書の場合、あまり目にすることのない作品だが、三島文学の本質に触れることができる短編、エッセーを選んでいると思う。

特に、巻頭に「海と夕焼け」を選んでいるところに編集のセンスが感じられると思う。

なぜなら、「海と夕焼け」は三島由紀夫の文学テーマが凝縮された作品だからだ。

それは「奇蹟の到来を信じながらそれが来なかつたといふ不思議」である。

内容は少年十字軍に材を取った作品で、時は1272年、老いた寺男が鎌倉稲村ケ崎の夕焼けを眺めながら、奇蹟を信じて十字軍に参戦した少年時代を回想する話である。1955年の作品だ。

『何のふしぎもなく、基督の幻をうけ入れた少年の心が、決して別れようとしない夕焼けの海に直面したときのあの不思議・・・』

現代の価値観で考えると、奇蹟を信じること自体が成立しえないだろう。

しかし、それを承知で三島は奇蹟が起こらなかったこと(※)に直面した人間を描く。

(※三島はそれを「詩的絶望」と言っている(「花ざかりの森・憂国」解説))

三島由紀夫が自決するのが1970年だが、彼の行動と考え合わせるとこの作品は大変興味深いし、彼を研究する上で重要な作品に位置付けられてもいいものだと思う。

その意味でも、「海と夕焼け」をこの全集の巻頭にした編集のセンスの良さを強く感じるし、筑摩書房の全集への思いが伝わるものだ。

ところで、今、三島由紀夫を読もうとすると、「潮騒」、「金閣寺」、「豊饒の海」といった代表作は新潮文庫で読めるが、クセのある作品は全集でないと読めない。

本書では、そのクセのある作品に触れられて貴重である。

例えば、思想上の問題で公演中止となった戯曲「喜びの琴」は、おそらく文庫ではこの本でしか読めないだろう。

また、「先生はいつ死ぬんですか?」と少年から質問されたエピソードを書いたエッセー「独楽」も本書でしか読めない作品だと思う。私は、このエピソードと同じ話を(たしか)石原慎太郎氏が書いたので知っていたが、三島由紀夫自身の「独楽」という作品があったとは知らなかったので、とても驚いた。
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