戦国時代にあって京都を含めた近畿一帯を支配した三好長慶.松永久秀と二人三脚で歩んだその生き様を描く.
長慶という人物は,若い頃は優秀であったが晩年は急速に衰えたと言われている.現代で言うところの若年性認知症に罹患したのではないかという説もあるほど,その衰えは明らかである.本作品でもそのように書かれるのだが,その一生涯にわたって関わる松永久秀との関係の描かれ方が面白い.後半は長慶の陰が薄くなり久秀を中心に話が進むのだが,それはおそらくそれが史実だからであろう.
本作品では,とかく複雑な当時の京畿の状況(リアルタイムで書かれた文書にさえ誤記としか思えない表記がある)を簡略化して表現してあるので,時代背景を知らなくても三好長慶という人物を知ることができる.長慶の人となりを知るに良い本かと思った.