三国志のオリジナルは、三国が晋に統一された時代に、陳寿という人物による、魏を漢を引き継ぐ正統な王朝として描かれた、魏・呉・蜀の争いの物語であるが、本偏は、その千年以上後の元の時代になって、羅貫中という人物により、蜀を正統な王朝として再編された三国志演義がベースになっている。ストーリーは、劉備・張飛・関羽の3人が兄弟の誓いを立てる桃園結義から、クライマックスの赤壁の戦いを経て、五丈原での、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の名場面までが、僅か300頁余りに分かりやすくダイジェストで書かれているので、三国志の初心者が読むには最適である。小中学生が対象のような本なので、ひらがなが多いが、大人が読んでもそれほど苦にはならない。登場人物はとにかく多いが、文体が平易なので、頭の中で整理しながら読み進めることができるだろう。三国志の入門書としては、素晴らしい出来栄えである。