呂布がとうとう捕らえられ、玄徳達が曹操を倒すため結束していく展開が遅々としながら、描かれていく。呂布については他の皆さんのレビューが詳しいので省略。
その権力ゆえに皇帝に無礼な振る舞いをし、玄徳達から反感を持たれる曹操ですが、その振る舞いが何だかガキ大将のようで、憎めない。部下を大事にして失えば涙し、完璧でなく失敗するところが英雄ではなく人間くさい感じがして好きです。戦いには非情なのに、部下に誤りを進言されるとすぐそれを認め、正そうとするのが上司としては理想的。
頂点に立って疑心暗鬼になるところも、他の武将と違って愛嬌が感じられるのは、曹操好きだからかな。関羽に惚れて、自分の陣に迎えようとあの手この手を尽くす様や、図々しいともいえる3つの条件を飲んで関羽を迎える曹操が何だかいじらしい。自分部下だったら拗ねちゃうなーなんて思うけど、主君の想いを察して、関羽を説得に行く張遼にも男気を感じます。
どんなに厚遇を受けても玄徳一筋の関羽に、いっそ曹操に寝返ってしまえなんて、思うのは私だけでしょうか。ま、そんな関羽だからこそ惚れちゃうんでしょうけど。
曹操に皇帝への態度を戒めるすべも無く、曹操打倒に密かに画策する玄徳達は、何だか不甲斐ない気がしますが、企みがあっさり暴露ししまうのはちょっと拍子抜けでした。
日本で曹操の人気が高いのは、吉川栄治が曹操を魅力的に描いたからだと言われているようですが、実感できる一冊です。