主人公(司馬懿)がスーツでトンデモSFっぽい、BLっぽいと評されがちの作品ですが、意外と正史三国志をよく読みこんで書かれています。
それがよく分かるのが劉備の妻に関する描写。
ふつう劉備の妻は2人(糜・甘夫人)いて、一度は曹操の捕虜となり、関羽が千里行して夫人を助け、その後に長阪橋で甘夫人が亡くなることになっています。今まで読んだ三国志モノは大概これでした。しかしこれは三国志演義のフィクション。
正史の記録では、劉備の妻は3度捕虜になり、2度は帰りますが3度目はどうなったか記録にありません。
この漫画はそこに目をつけて、さらに劉備の娘というキャラクターを登場させ、彼女の視点で家族が劉備の戦の被害者になったさまを描いています。
自分は今まで劉備にはあまり興味がありませんでしたが、この漫画で初めて好きになりました。
長阪橋の戦いも具体的かつ合理的に考証されていて、描写もかっこいいです。
少女漫画のアクションはフワフワして何をやってるのか分からないもの・・・という思い込みを、良い意味で裏切ります。