北方三国志の大きな魅力の一つである呂布の最後。
曹操や劉備と違って、天下に志を持つわけではない呂布。しかし、大志を抱く武将たちの中にあって、誰よりも強く黒い閃光を放ちます。曹操の命よりも赤兎をとった呂布。李姫をおもいやって呂布が赤い布を受けたときには、呂布の奥底にある細やかなやさしさに触れたように思います。「女は曹操の身の回りの世話だけをしていればよい」と割り切る曹操、妻たちを敵陣に残すことを理性で計算できる劉備。大志の前に私心を殺す彼らの生き方が、男の生き様かもしれません。しかし、呂布の生もまた見事なものだったのではないでしょうか。
もっとも印象的だったのは、夕日の海に照らされた、呂布と赤兎の姿。
「呂布様は、言われているような方ではありませんね。赤兎を見ているとわかります」
「俺は、俺だ」